コミックシーモアが一部再開、情報流出の範囲とやること【2026年10月】
2026年10月29日、NTTソルマーレは、不正アクセスを受けて10月15日から止まっていた電子書籍ストア『コミックシーモア』を、一部の機能に限って再開したと発表しました。購入済みの作品はWebブラウザで読めるようになった一方、本棚アプリや作品・ポイントの購入はまだ使えません。

この件では、会員情報が第三者に流出しています。10月21日の第4報によると、流出が確認されたのは会員データベースの319件と、システムログファイル上の最大約420万件です。再開した機能を使うにはパスワードの再発行が必要で、利用者側の対応が欠かせない段階に入ったという位置づけです。
この記事はこんな人向けです
- コミックシーモアの会員で、自分の情報が流出したのか、いま何が使えるのかを知りたい
- 月額メニューや読み放題の料金、期限切れのポイントがどうなるか気になる
- 流出をきっかけにした偽メールや不正ログインに備えたい
コミックシーモアの情報流出とは?一言でまとめると
一言でいうと、コミックシーモアのサーバーに外部から不正アクセスがあり、会員のメールアドレスや生年月日などが持ち出されたという事案です。
| 項目 | 内容(NTTソルマーレの発表) |
|---|---|
| サービス停止 | 2026年10月15日 午前11時35分 |
| 流出の確認 | 2026年10月16日 |
| 流出した件数 | 会員データベース 319件、システムログファイル 最大約420万件 |
| 流出した主な情報 | メールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別(319件はハッシュ化されたパスワードも) |
| 流出していない情報 | クレジットカード情報(対象システムで保有していない) |
| 一部再開 | 2026年10月29日(Webブラウザでの閲覧など) |
原因については、第3報で「特定ができた」、第4報で侵入経路と攻撃手法の特定と遮断が完了したと説明しています。ただし、侵入の手口や攻撃者が誰かは公表されていません。
経緯:10月15日の停止から一部再開まで
NTTソルマーレは、10月15日の初報から10月29日の第5報まで、5回にわたって状況を公表しています。停止から一部再開までは14日でした。

10月15日に不正アクセスの可能性が高いと判断し、午前11時35分にサービスを止めて遮断対応を始めました。翌16日には、会員情報を管理するシステムに不正アクセスがあり、会員情報が流出したことを確認しています。
10月18日の第3報では、会員情報に加えて一部のシステムログファイルも閲覧・取得されていたことが分かりました。このログを精査した結果が、10月21日の第4報で示された「最大約420万件」です。調査は外部の専門機関と連携して進めています。
流出した情報と件数
第4報で示された流出の内訳は、次の2つです。件数が多いのはシステムログファイルの方で、こちらにはパスワードは含まれていません。
| 区分 | 件数 | 流出した内容 |
|---|---|---|
| ① 会員データベース上の登録情報 | 319件 | メールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、ニックネーム、生年月日、性別 |
| ② システムログファイル上の情報 | 最大約420万件 | メールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別(パスワードは含まれない) |
②の件数には、同じ人の情報が重複して含まれている可能性があります。また、人によって流出した項目は異なり、全員の4項目すべてが流出したわけではありません。
ハッシュ化されたパスワードとは、元のパスワードをそのまま保存せず、元の内容を読み取れない形に変換したものです。NTTソルマーレは、①②に該当する人にはメールで連絡するとしています。
流出していない情報
公式発表で「流出していない」「確認されていない」とされているのは次のとおりです。
- クレジットカード情報は、対象のシステムで保有しておらず、流出していません
- 購入履歴の流出は確認されていません
- MY本棚の流出・消失・欠損も確認されていません
買った作品が消えたり、何を読んでいるかが漏れたりしたという事実は、10月21日の第4報の時点で確認されていないということです。
10月29日に再開した機能・まだ使えない機能
第5報で再開したのは、Webブラウザでの閲覧と、会員情報の変更・解約申請です。アプリでの閲覧や購入はまだできません。

| 状態 | 機能 |
|---|---|
| 再開した | 購入済み作品のWebブラウザでの閲覧 |
| 再開した | 読み放題サービスのWebブラウザでの利用 |
| 再開した | 会員情報の変更 |
| 再開した | 登録中の月額メニュー・読み放題サービスの解約申請 |
| まだ | 本棚アプリの利用(近日再開予定) |
| まだ | 作品・ポイントの購入(決済手段ごとに順次再開予定) |
| まだ | 新刊自動購入、サイト退会、新規会員登録 |
| まだ | ポイント履歴・月額登録履歴・購入履歴などの確認 |
再開した機能を使うには、パスワードの再発行が必要です。第2報の時点から、再開時には全会員にパスワードの再設定をお願いする予定と案内されていました。

退会や購入履歴の確認はまだできないため、「解約したい」「何を買ったか確かめたい」という人は、該当する機能の再開を待つことになります。ただし、月額メニューと読み放題の解約申請はすでに再開しています。
月額・読み放題の料金とポイントはどうなる?
サービスが止まっていた間の料金とポイントについて、第4報と第5報で次のように案内されています。
| 項目 | 公式の案内 |
|---|---|
| 読み放題・月額メニューの料金 | 使えなかった期間中に自動で引き落とされることは基本的にない |
| 一部の決済手段 | 引き落とされることがあり、対象者には個別に対応 |
| 期間中に期限を迎えたポイント | 後日対応(第4報では再付与などを検討と説明) |
| お詫びの対応 | 第4報で「検討中、再開時に知らせる」と説明 |
どの決済手段が「一部」に当たるのかは、公式発表では示されていません。また、10月29日の第5報には、お詫びの具体的な内容は書かれていません。
利用者がやること
NTTソルマーレの案内をもとに、利用者がやることを整理します。
① サービスを使う前にパスワードを再発行する
再開した機能は、パスワードを再発行しないと使えません。第5報には再発行の手順までは書かれていないため、コミックシーモアのサイトの案内に従って手続きします。
このとき、メールのリンクから手続きするのは避け、ブックマークや検索から公式サイトを開くのが安全です。IPA(情報処理推進機構)も、メールの真偽を確かめたいときは正規のサイトを調べてそこから問い合わせるよう呼びかけています。
② 同じパスワードを使っている他のサービスも変える
NTTソルマーレは、流出したメールアドレスとパスワードの組み合わせで、他のWebサービスに不正ログインされるおそれがあるとしています。コミックシーモアと同じ組み合わせを他社サービスでも使っている場合は、そちらのパスワードも変更するよう求めています。
IPA は、パスワードを長く複雑にし、使い回さないこと、多要素認証やパスキーを設定することを日頃の対策に挙げています。
③ コミックシーモアを装った連絡に注意する
流出した情報が悪用され、コミックシーモアや関係者を装った不審なメールが届くおそれがあります。公式の呼びかけは次の3点です。
- 身に覚えのないメールのURLや添付ファイルを開かない
- 偽のWebサイト(フィッシングサイト)に誘導されても、個人情報やパスワードを入力しない
- 当社などを装った不審な連絡に注意する
流出の対象者には、NTTソルマーレから本物のメールも届きます。パスワード再発行の案内と時期が重なるため、メールの中のリンクではなく公式サイトから確かめる習慣をつけておくと安心です。
漏えいの連絡を受けたときの対処は、IPA が情報の種類ごとにまとめています。

④ サイトが開けないときは VPN とプライベートリレーを確認する
10月29日時点で、コミックシーモアのサイトはサービスの安全確保のため、国外やVPNからのアクセスを制限しています。iCloudプライベートリレーやVPNが有効だと制限の対象になることがあり、オフにして試すよう案内されています。

困ったときの問い合わせ先は、第5報で「よくあるご質問」(https://www.cmoa.jp/special/qa/detail/ )とお問い合わせフォーム(https://www.cmoa.jp/inquiry/ )に変わっています。
利用者の声
はてなブックマークでは、第2報のエントリーに10月29日時点で64件のブックマークが付いています。
- はてなブックマークのユーザー ayumun さんは、SNS では本棚の情報が流出したらと心配する人が多かったが、それは漏れていないようで良かったとコメントしています(出典)
- 同じくユーザー m7g6s さんは、「パスワード使い回し駄目絶対」と、使い回しへの注意を書いています(出典)
- ユーザー sslazio0824 さんは、個人情報の心配に加えて、読みたかった雑誌の発売日にサービスが止まったことへの不満を書いています(出典)
- 第4報のエントリーでは、ユーザー dltlt さんが、流出したシステムログファイルからは購入履歴や本棚は読み取れないということかと疑問を投げかけています(出典)
なお、ログファイルに購入履歴が含まれていたかどうかについて、公式発表は「購入履歴の流出は確認されていない」と述べるにとどまっています。
IT Picks的な所感
今回の件で目を引くのは、会員データベースから流出したのは319件でも、ログファイル経由で最大約420万件に広がった点です。本体のデータベースだけでなく、ログに何を書き残しているかも守るべき対象だと分かる事例だと思います。ログ側にパスワードが含まれていなかったことは、被害を抑えた要因と言えそうです。
利用者にとっては、クレジットカード情報と購入履歴・本棚が無事とされている点は安心材料です。一方で、メールアドレスと生年月日・ニックネームの組み合わせは、本人を名乗った偽メールに使われやすい情報です。パスワード再発行の案内と重なるこの時期は、メールのリンクを踏まずに公式サイトから操作することを徹底したいところです。本棚アプリと購入の再開時期、お詫びの内容は、続報を待ちたいと思います。
10月は国内で不正アクセスの公表が相次いでおり、JPCERT/CC も相次ぐ不正アクセスへの注意を呼びかけています。同じ時期には、So-net の会員情報の漏洩も発表されました。

GMO のサービスでも、サイバー攻撃を受けて新規申し込みの停止が続いています。

まとめ
コミックシーモアの情報流出と一部再開のポイントをまとめます。
- サービス停止:2026年10月15日 午前11時35分
- 一部再開:2026年10月29日(Webブラウザでの閲覧、読み放題、会員情報の変更、月額・読み放題の解約申請)
- まだ使えない機能:本棚アプリ(近日再開予定)、作品・ポイントの購入、新刊自動購入、退会、履歴の確認、新規会員登録
- 流出件数:会員データベース 319件、システムログファイル 最大約420万件(重複を含む可能性)
- 流出した情報:メールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別(319件はハッシュ化されたパスワードも)
- 流出していない情報:クレジットカード情報(購入履歴・MY本棚の流出は確認されていない)
- やること:パスワードの再発行、同じパスワードを使う他サービスの変更、偽メールに注意
コミックシーモアを使っている人は、公式サイトからパスワードを再発行し、同じパスワードを使っている他のサービスも変えておきましょう。
