漏えい被害の相談先は?IPAが個人向け窓口を強化【2026年11月】
2026年11月2日、IPA(情報処理推進機構)は、不正アクセスによる個人情報漏えいの被害にあった個人からの相談受付を強化すると発表しました。個人向けの「情報セキュリティ安心相談窓口」で、自分の情報が漏えいして不安に感じている人の相談を受け付けます。

相談窓口では、二次被害を防ぐための対処や日頃の対策についてアドバイスします。あわせて、消費生活センターなど関係行政機関の相談窓口との連携も強化するとしています。漏えいの通知を受け取った人にとって、「どこに電話すればいいか」がはっきりしたという位置づけです。
この記事はこんな人向けです
- サービスから「あなたの情報が漏えいした」と連絡が来て、誰に相談すればよいか知りたい
- IPAの情報セキュリティ安心相談窓口の電話番号・受付時間・相談できる内容を確認したい
- クレジットカード・金融機関・免許証など、困りごとごとの相談先を一覧で見たい
IPAの相談受付強化とは?一言でまとめると
一言でいうと、個人情報が漏えいして不安な人は、IPA の安心相談窓口に電話かメールで相談できる——という案内です。
| 項目 | 内容(2026年11月2日時点) |
|---|---|
| 発表元 | IPA(情報処理推進機構) |
| 発表日 | 2026年11月2日 |
| 窓口 | 情報セキュリティ安心相談窓口 |
| 対象 | 全国の個人ユーザー(消費者) |
| 電話 | 03-5978-7509(平日10時〜17時) |
| メール | anshin@ipa.go.jp |
| 相談料 | 無料(通話料は自己負担) |
困りごとの内容によっては、IPA よりほかの窓口のほうが向いている場合があります。次の節で、内容別の相談先をまとめます。
困ったときの相談先:内容別の一覧
IPA の発表が参考情報に挙げている首相官邸のページ「個人情報流出の被害に遭われた方・ご心配のある方」には、困りごとごとの相談先がまとまっています。まずは次の表で、自分に合う窓口を探してください。
| こんなとき | 相談先 | 連絡先 |
|---|---|---|
| まずはどこに相談すればいいか分からない | 消費生活センター | 電話 188 |
| パソコン・スマホへの不正アクセスやウイルス感染が心配 | IPA 情報セキュリティ安心相談窓口 | 電話 03-5978-7509/メール anshin@ipa.go.jp |
| 犯罪被害が心配、パトロールや運転免許証の再発行の相談 | 警察相談専用電話 | 電話 #9110 |
| 取引のある金融機関からの流出が心配 | 金融庁 金融サービス利用者相談室 | 電話 0570-016811(IP電話は 03-5251-6811) |
| クレジットカード情報の流出が心配 | 日本クレジット協会 クレジットに関する消費者相談窓口 | 電話 03-5645-3361 |
| ネット上に流出した個人情報を削除したい | 違法・有害情報相談センター(総務省委託) | Web(https://ihaho.jp/) |
| 流出を起こした通信事業者の対応窓口を知りたい | 総務省 電気通信消費者相談センター | 電話 03-5253-5900/メール telecom-soudan@soumu.go.jp |
| 企業などの個人情報の取り扱いについて相談したい | 個人情報保護委員会 個人情報保護法相談ダイヤル | 電話 03-6457-9849 |
※ 2026年11月2日時点の首相官邸のページの記載です。受付時間は各窓口の公式ページで確認してください。

首相官邸のページは、最初の相談先として 188(消費生活センター)を挙げています。IPA の窓口は、このうちパソコンやスマホの不正アクセス・ウイルスや、漏えい後の二次被害を防ぐための技術的な対処を受け持つ位置づけです。
何が変わった?強化の中身と背景
情報セキュリティ安心相談窓口は、もともと一般的な情報セキュリティ(主にウイルスや不正アクセス)の技術的な相談に答える、個人向けの窓口です。今回の発表で、相談できる内容として次の3つが明記されました。
- ウイルスや不正アクセスに関する相談
- 情報漏えいの被害にあった人の不安に対する相談
- フィッシング詐欺などのネット詐欺に関する相談
背景について IPA は、国内の幅広いサービスで、Web システムの脆弱性の悪用やサプライチェーンを通じた侵害などによる情報漏えいの公表が相次いでいると説明しています。特に大量の個人情報を扱うオンラインサービスやアカウントサービスのシステムに侵入され、データが盗まれる事案が複数判明しています。
IPA は 10月26日にも、漏えいしたときの対処をまとめた案内を公開していました。その時点で、窓口には「自分の情報が漏えいしたと連絡がきたが、どうすればよいか」という相談が数多く寄せられているとしていました。
一方で、電話番号(03-5978-7509)や受付時間(平日10時〜17時)は、従来の窓口と同じです。発表には、相談員の増員など体制の具体的な中身は示されていません。
相次ぐ漏えいの例として、最近では @cosme の会員情報の漏えいも公表されています。

安心相談窓口の連絡方法と受付時間
IPA の窓口ページに載っている連絡方法は、次の5つです。
| 方法 | 連絡先・受付 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電話 | 03-5978-7509/10時〜17時(土日祝日・年末年始を除く) | 1回30分以内。相談は無料だが通話料は自己負担。通話は記録される |
| メール | anshin@ipa.go.jp | 受信後3営業日以内を目処に返信。3MB 以上の添付は送らない |
| FAX | 03-5978-7518 | 電話・メールが難しい場合。連絡先を明記する |
| 郵送 | 〒113-6591 東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコート センターオフィス16階 IPAセキュリティセンター 安心相談窓口 | 書面のみ(USB メモリや CD-ROM は同梱しない) |
| チャットボット | 窓口ページの右下の吹き出しから | 夜間・休日も利用可。選択肢から選ぶ形式 |
※ 2026年11月2日時点の IPA「情報セキュリティに関する技術的なご相談」「チャットボット相談について」の記載です。
IPA のページでは、メールアドレスは画像で表示されていて、宛先に手入力するよう案内されています。また、IPA からの返信が届くように、迷惑メールのフィルタで ipa.go.jp ドメインのメールを受信できるようにしておく必要があります。
チャットボットは文字入力に対応しておらず、表示された選択肢から状況に近いものを選ぶ形式です。案内しているのはフィッシングメール・偽 SMS・不正ログインなどの対処で、IPA は入力欄に個人情報を入れないよう注意しています。

相談できること・できないこと
窓口が受け付けるのは、技術的な対処についての相談です。IPA の窓口ページには、受け付けていない相談の例も載っています。
| 相談できること | 相談できないことの例 |
|---|---|
| ウイルスや不正アクセスへの対処 | 法的な解釈に関する相談 |
| 漏えい後の二次被害のリスクを下げる対処 | ネットサービスの品質や役務不履行、契約・支払い方法の相談 |
| フィッシング詐欺などのネット詐欺への対応 | 端末やログの調査の依頼 |
| 日頃の対策 | 他の組織への連絡や通報の仲介 |
| — | 犯罪者の検挙・事件捜査の要望 |
| — | 直接の来訪による相談(面談) |
つまり、「漏えいした会社に代わりに連絡してほしい」「補償を求めたい」といった相談は、IPA の窓口の対象外です。IPA は、受け付けられない相談でも他の機関の窓口で対応できる場合があるとして、他機関の窓口の一覧へのリンクも載せています。契約やお金のトラブルは 188、犯罪被害の心配は #9110 というように、上の表の窓口を使い分けてください。
相談の前に整理しておくこと
IPA は、相談をスムーズに進めるために、次の項目を事前に整理しておくよう求めています。
- 対象の端末の種類(パソコン、スマートフォンなど)
- 端末の OS(Windows、Android など)
- インストールしているセキュリティソフトの名称
- 利用しているクラウドサービスの名称
- 時系列を含めた具体的な事象
- ウイルスまたは不正アクセスが原因と判断した根拠
- 他に相談した窓口や機関
漏えいの通知について相談するなら、通知が届いた日・送ってきた会社・漏えいした情報の種類をメモしておくと、時系列の説明がしやすくなります。電話は1回30分以内なので、手元にまとめておくのがおすすめです。
漏えいの通知が届いたら:IPAが示す最初の対処
IPA が10月26日に公開した案内では、まず自分のどの情報が漏えいしたのかを、サービス提供者からの連絡・Web サイトの案内・サポート窓口で確かめるよう求めています。そのうえで、情報の種類ごとに対処します。
| 漏えいした情報 | IPA が示す対処 |
|---|---|
| ID・パスワード | 速やかにパスワードを変更。使い回している他のサービスも変更 |
| クレジットカード情報 | カード会社に連絡し、不正利用の確認や利用停止・再発行を相談。当面は明細を確認 |
| メールアドレス・電話番号・住所・氏名 | 突然のメール・SMS は詐欺と考えて無視。リンクを開かない。不審な着払いは受け取らない |
| 運転免許証などの本人確認書類 | 信用情報機関(JICC・CIC・KSC)への本人申告を検討 |
それでも対処が分からないときや不安なときに、安心相談窓口に相談する——という流れです。情報の種類ごとの対処や、信用情報機関への本人申告の注意点は、こちらの記事で詳しく解説しています。

企業・組織は別の窓口:不正アクセス特別相談窓口
今回強化されたのは個人向けの窓口です。企業や組織の担当者は、IPA が10月16日に開設した「不正アクセス特別相談窓口」を使います。
| 項目 | 個人向け:安心相談窓口 | 企業・組織向け:不正アクセス特別相談窓口 |
|---|---|---|
| 対象 | 全国の個人ユーザー(消費者) | 全国の企業・組織 |
| 電話 | 03-5978-7509 | 03-6759-5760 |
| 受付時間 | 平日10時〜17時 | 平日9時30分〜17時30分(12時〜13時を除く) |
| 内容 | 漏えい後の二次被害の防ぎ方、ウイルス・不正アクセス、ネット詐欺 | インシデントの初動対応(被害の可能性の助言、応急処置案、専門業者の紹介など) |
※ 2026年11月2日時点の IPA のプレス発表(11月2日・10月16日)の記載です。
サイトを運営する側が点検すべきことは、JPCERT/CC の注意喚起を解説したこちらの記事にまとめています。

IT Picks的な所感
今回の発表は、新しい窓口ができたというより、既存の個人向け窓口を「漏えいの被害者も相談してよい場所」として改めて示したものだと受け止めています。電話番号や受付時間は変わっていませんが、漏えいの通知を受けた人が「IPA に相談してよいのか」と迷わずに済むのは大きいと思います。
一方で、IPA の窓口は技術的な助言が中心で、会社への連絡の仲介や補償の相談は受け付けていません。首相官邸のページのように、困りごとに応じて 188・#9110・カード会社の窓口などを使い分けるのが現実的です。この一覧は、漏えいの連絡が来たときにすぐ開けるよう、ブックマークしておく価値があると考えています。
10月には So-net でも会員情報の大規模な漏えいが公表されました。通知を受けた人は、各サービスの公式の案内とあわせて確認しておきたいところです。

まとめ
IPA の個人向け相談窓口の強化のポイントをまとめます。
- 発表日:2026年11月2日(IPA)
- 窓口:情報セキュリティ安心相談窓口(全国の個人ユーザーが対象)
- 電話:03-5978-7509(平日10時〜17時、土日祝日・年末年始を除く)
- メール:anshin@ipa.go.jp(受信後3営業日以内を目処に返信)
- 相談できること:漏えい後の二次被害の防ぎ方、ウイルス・不正アクセス、フィッシング詐欺などのネット詐欺
- 相談できないこと:法的な解釈、契約・支払い、他の組織への仲介、事件捜査の要望など
- 迷ったときの最初の相談先:188(消費生活センター)
- 企業・組織の相談先:不正アクセス特別相談窓口(03-6759-5760)
漏えいの通知が届いたら、まずどの情報が漏れたのかを公式の案内で確かめ、分からないことは上の表の窓口に相談してください。
