GeminiのGemが終了へ、スキルへの移行方法と期限【2026年10月】
「Gemini で作った Gem、このまま使い続けて大丈夫?」——そんな疑問に答える記事です。
2026年10月13日、Google は Gemini アプリの左メニューに 「カスタマイズ」を追加し、ここから新機能「スキル」を追加できるようにしました。同じ日、Google Workspace の公式ブログでも Gemini アプリのスキルを仕事用アカウントにも順次展開すると発表しています。
スキルは、これまでの 「Gem(ジェム)」に代わる機能です。Google は9月30日の発表で、個人アカウントの Gem は2026年11月から終了し、スキルへ自動で移行すると明らかにしていました。

Gem は「指示を保存した専用の Gemini」でしたが、スキルは「どのチャットでも呼び出せる指示の部品」です。Gemini のカスタマイズが「専用ボットを作る」から「部品を組み合わせる」へ切り替わる転換点と言えます。
この記事はこんな人向けです
- Gemini の Gem(カスタム指示)を仕事や勉強で使っている
- Gem がいつ使えなくなるのか、何もしなくてよいのかを知りたい
- 新機能「スキル」の使い方と、Gem を早めに移す手順を確認したい
Geminiの「スキル」とは?一言でまとめると
スキルは、よく使う指示を保存して、どのチャットからでも呼び出せる機能です。文章の書き方のルールや、資料作りの手順などを一度登録しておけば、毎回同じ指示を入力する必要がなくなります。
Gem との主な違いは次のとおりです。
| 項目 | Gem(終了予定) | スキル(新機能) |
|---|---|---|
| 使い方 | Gem ごとの専用画面でチャット | 普段のチャットで「/」+スキル名 |
| 複数の組み合わせ | 1つの Gem ごとに使う | 1つのチャットで複数を組み合わせ可 |
| 自動での適用 | 自分で Gem を選んで開く | 内容が合うと Gemini が自動で使う |
| 参照ファイル | 「知識」にファイルを追加 | テキスト・PDF・画像などを一緒に保存 |
| 保存形式 | — | SKILL.md(Markdown ベースのオープンな形式) |
呼び出しの記号は「/」ですが、近日中に「@」に変わる予定と公式ヘルプに書かれています。
Gemはいつ終わる?アカウント別のスケジュール
個人の Google アカウントは2026年11月から Gem が終了します。仕事用・学校用の Google Workspace アカウントはもう少し先です。

| アカウント | Gem が使えなくなる時期 | 残った Gem |
|---|---|---|
| 個人の Google アカウント | 2026年11月から | スキルとして自動で再作成 |
| Workspace(Business・Enterprise・非営利) | 2027年3月1日以降 | 下書きのスキルとして自動移行 |
| Workspace(教育機関) | 2027年6月1日以降 | 下書きのスキルとして自動移行 |
個人アカウントの具体的な日付は、Google の公式ページでは「11月」とだけ示されています(2026年10月15日時点)。
Workspace 向けの管理者ページには、2026年11月17日に Gem が Gemini アプリの「設定」の中に移る(その後も作成・編集・利用は可能)という予定も載っています。Workspace では、残った Gem は「下書き」のスキルとして移行され、作成者が確認して有効にするまで使えない仕組みです。
あわせて、Google Labs の実験的なミニアプリ作成ツール「Opal」も11月に終了します。Google Labs の Gem(Gems by Google Labs)も終了し、こちらはスキルには移行されません。
10月13日に何が変わった?
10月13日の変更は大きく3つです。
- 「カスタマイズ」メニューの追加: 左メニューの「カスタマイズ」から、回答のしかた・接続するアプリ・スキルを1か所で設定できるようになりました。全ユーザー層が対象で、ウェブ・モバイル・Windows / macOS のデスクトップアプリにグローバルで展開されます
- 仕事用アカウントへの展開開始: Workspace の公式ブログは、Gemini アプリのスキルを10月13日から順次展開し、11月中旬に完了する見込みとしています。対象は Workspace の全顧客と個人アカウントです
- Workspace 内のスキルは延期: Google ドキュメントなど Workspace アプリの中で使うスキルは、「安全で信頼できる形で出すため」として展開が延期されました。新しい日程は未定です
Gem にあった共有機能や Google ドライブのファイル追加は、「今後数週間」でスキルにも追加される予定です。
なお、カスタマイズで接続できるアプリ(40以上)は、多くが米国の英語環境向けとされています。日本で使えるアプリは限られる点に注意してください。
スキルでできること:Gemとの3つの違い
① どのチャットからでも呼び出せる
Gem は、Gem ごとに専用の画面を開いてチャットする必要がありました。スキルは普段のチャットで「/」を入力し、スキル名を選ぶだけで使えます。
会話の途中で別のスキルに切り替えることもでき、出力をコピーして別の Gem に貼り直す手間がなくなります。
② 自動で使われ、組み合わせられる
スキルは、プロンプトの内容に合うと Gemini が自動で適用します。自動で使ってほしくないスキルは、スキルのページで「無効にする」を選べば止められます。
1つのチャットで複数のスキルを組み合わせられるのも特徴です。Google は「文章のスタイル」スキルと「ブランドのガイドライン」スキルを重ねて、自分らしい文体でブランドに沿った資料を作る例を挙げています。
③ SKILL.md形式で持ち運べる
スキルは SKILL.md という Markdown ベースのオープンな形式で保存されます。スキルは .zip でダウンロードでき、他のプラットフォームで作ったスキルも、SKILL.md をアップロードすれば取り込めると公式ヘルプは説明しています。
アップロードには次の条件があります。
- フォルダの一番上に SKILL.md が必要
- スキル名はすべて小文字、単語をハイフンでつなぐ(例: sample-skill-name)
- ファイルの合計は 100MB 以下
- テキスト系のファイル・PDF・画像は可。.docx や .xlsx などのバイナリ形式は不可
- スクリプトから外部サイトへのアクセスはできない
料金・使える条件
スキルは Google AI のサブスクリプションがなくても使えます(公式ヘルプ)。Google のブログも「すべての Google AI サブスクリプション層で利用可能」としています。
公式ヘルプにある利用条件は次のとおりです(2026年10月15日時点)。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 18歳以上 |
| アカウント | 個人の Google アカウント(仕事用・学校用は順次) |
| 設定 | 「アクティビティの保存」がオン |
| 使える場所 | Gemini モバイルアプリ、Mac の Gemini アプリ、ウェブ版(gemini.google.com) |
| ファイルのアップロード | Mac アプリとウェブ版のみ |
| 同時に有効にできる数 | 100個まで(作成数の上限はなし) |
ヘルプには「現時点では仕事用・学校用アカウントでは使えない」とありますが、前述のとおり 10月13日から Workspace の Gemini アプリへの展開が始まっています。展開は段階的なので、まだ表示されない場合もあります。
Gemを今すぐスキルに移す手順
何もしなくても、Gem は終了時にスキルとして自動で再作成されます。 ただ、よく使う Gem は早めに移して、動きを確かめておくと安心です。公式ヘルプの手順は次の3ステップです(パソコンのウェブ版で操作)。

① Gemの内容と知識ファイルを用意する
- gemini.google.com を開き、サイドバーから Gem の一覧を開く
- 移したい Gem の編集アイコンをクリック
- 「知識」にファイルがあれば、1つずつ開いてダウンロード
- スキルと同じ名前(小文字・ハイフン区切り)のフォルダを作り、ファイルを入れる
② スキルを作って指示を貼り付ける
- 別のタブで gemini.google.com を開き、サイドバーの「設定」→「スキル」を開く
- 「手動で作成」をクリック
- Gem の名前・説明・カスタム指示をコピーして貼り付け、「作成」をクリック
ファイルを使わない Gem なら、ここで完了です。
③ 知識ファイルを追加する(必要な場合)
- 作ったスキルの「スキル アクション」→「ダウンロード」で .zip を保存
- .zip の中の SKILL.md を、①で作ったフォルダに移す
- 同じスキルの「スキル アクション」→「スキルを置き換える」で、そのフォルダをアップロード
フォルダ名とスキル名が一致していないとアップロードできない点に注意してください。
移行前に確認したい注意点
自動移行に任せる場合でも、次の点は事前に確認しておきましょう。
- Gem の標準ツールの多くは非対応: Canvas、Deep Research、動画の作成、音楽の作成、ガイド付き学習は、現時点でスキルでは使えません。これらを前提にした Gem は、移行後に同じ動きにならない可能性があります
- 知識ファイルは対応形式だけ: 自動移行で引き継がれるのは、スキルが対応している形式のファイルだけです。Gem の知識に追加した GitHub のファイルは、スキルではサポートされていません
- 共有はまだ: Gem の共有機能は「今後数週間」でスキルに追加される予定です。チームで共有している Gem は、追加を待ってから移すのが無難です
- Workspace と Gemini アプリは別管理: スキルは Gemini アプリと Workspace アプリの間で同期しません。両方で使うには、それぞれで作る必要があります
- Workspace Studio の「Ask a Gem」: 新しいフローには追加できなくなっています。既存のフローは、Workspace で Gem が終了する時点(Business・Enterprise は2027年3月1日以降、教育機関は2027年6月1日以降)で止まります
Opal でミニアプリを作っていた人は、Google の AI 開発環境への移行も検討するとよいでしょう。Google AI Studio のアプリ作成機能はこちらで解説しています。

利用者の反応
発表への反応は、惜しむ声と前向きな声に分かれています。
- Gem を惜しむ声: Hacker News では、Gem は特定のテーマの学習にとても役立ったという利用者が「ノートブックを紐づけるとハルシネーション(誤回答)が減った」として、終了を残念がるコメントを残しています(Steaglsz さんのコメント)
- そもそも使っていない: 同じスレッドには「Gem を使っていた人なんているのか」という短いコメントもありました(whosthere54 さんのコメント)
- ファイル連携に注意: 個人ブログ lilting channel を運営するいけさんは、参照画像と指示を登録したキャラクター生成用の Gem を使っていたと紹介し、GitHub 連携のファイルが移行されない点を指摘しています(lilting channel)
- 前向きな評価: PCWorld の記者は、スキルが有料プラン限定にならなかったことなどを「心強いアップデート」と評価しています(PCWorld)
Hacker News の投稿自体はコメント2件と小さな反応で、「便利だった Gem を移せるか」を気にする声が中心です。
IT Picks的な所感
一番大きいのは、Gem を使っていた無料ユーザーも、そのままスキルを使えることだと思います。公式ヘルプが「サブスクリプションなしで利用可」と明記したことで、移行による実質的な値上げは避けられた形です。
一方で、Canvas や Deep Research と組み合わせた Gem は、移行後に同じようには動かない可能性があります。自動移行は「指示の移し替え」であって、動作の保証ではありません。よく使う Gem は11月を待たずに手動で移し、結果を見比べておくのがおすすめです。
SKILL.md という共通の形式を採用したのも注目点です。他のツールで作ったスキルを Gemini に持ち込めるので、複数の AI を使い分ける人ほど恩恵があります。同じ10月13日には新モデル Gemini 4 Argon も Gemini アプリで提供が始まりました。

ChatGPT・Claude・Gemini の使い分けは、こちらの記事でまとめています。

まとめ
Gem からスキルへの移行のポイントをまとめます。
- 発表:2026年9月30日(スキル提供開始と Gem 終了の予告)、10月13日(カスタマイズ追加・仕事用アカウントへの展開開始)
- Gem の終了:個人アカウントは2026年11月から、Workspace は2027年3月1日以降、教育機関は2027年6月1日以降
- 移行:何もしなくても自動でスキルに再作成。手動で早めに移すことも可能
- 料金:Google AI のサブスクリプションなしで利用可(18歳以上)
- 使い方:チャットで「/」+スキル名(近日中に「@」に変更予定)。複数の組み合わせ・自動適用に対応
- 注意点:Canvas・Deep Research などは非対応、GitHub のファイルは移行されない、共有は今後追加
- あわせて終了:Opal と Gems by Google Labs(2026年11月)
まずは Gem の一覧を開いて、毎週使っている Gem を1つだけスキルに移してみるところから始めるとよいでしょう。
