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年調ソフトのPC版、令和9年度はスマホ版のみ予定【2026年11月】

年調ソフトのPC版、令和9年度はスマホ版のみ予定【2026年11月】
IT Picks編集部

国税庁が、年末調整の書類を作る「年調ソフト」のパソコン版を、令和9年度版では公開しない予定だと明らかにしました。国税庁の利用者向けFAQ(令和8年10月改訂版)に、令和9年度は「スマートフォン版の年調ソフトのみの公開とすることを予定」と書かれています。

年末調整手続の電子化に向けた取組について
年末調整手続の電子化に向けた取組について

今年(令和8年分)の年末調整には影響しません。令和8年分の年調ソフトは、2026年10月1日に パソコン版(Windows・Mac)もスマホ版も 正式版が公開されています。来年に向けて、スマホ版への切り替えとデータの移し方を今のうちに確かめておく——という位置づけのニュースです。

この記事はこんな人向けです

  • 年末調整の書類を、国税庁の年調ソフトのパソコン版で作っている会社員
  • 年調ソフトのパソコン版がなくなると聞いて、今年の年末調整に影響があるか知りたい
  • 従業員に年調ソフトを案内している給与・経理の担当者

年調ソフトのパソコン版終了とは?一言でまとめると

一言でいうと、国税庁が「来年度からは年調ソフトをスマホ版だけにする予定」とFAQで答えたという話です。新着のお知らせではなく、FAQの問5-59・問5-60に追加された回答で分かりました。

項目 国税庁のFAQ・公式ページに書かれていること
何が変わる 令和9年度版の年調ソフトは、パソコン版を公開せず、スマートフォン版のみを公開する予定
理由 パソコン版の利用に比べて、スマートフォン版の利用が増えていること等
今年(令和8年分) パソコン版・スマホ版とも公開中(2026年10月1日に正式版)
データの移行 パソコン版で出力した申告書データを、スマホ版で取り込める
書かれた場所 利用者向けFAQ(令和8年10月改訂版)問5-59・問5-60(令和8年10月追加)
年調ソフトのパソコン版について分かっていること
国税庁のFAQ・公式ページをもとに IT Picks 編集部が作成

FAQには 「予定」 と書かれています。来年の何月の公開からか、どの年分の年末調整からかの日付は書かれていません。なお、年調ソフトは 例年10月上旬にリリース予定 とされています(FAQ 問5-22)。

年調ソフトとは?おさらい

年調ソフト(正式名は「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」)は、国税庁が無料で提供している、会社員向けの年末調整の書類作りのソフトです。

従業員が、保険料控除などの 控除証明書のデータを読み込んで申告書を作り、勤務先に出すデータや書面を作る ためのものです。主にできることは次のとおりです(FAQ 問5-12)。

  • マイナポータル連携で控除証明書のデータを取り込む
  • 控除額の 自動計算、扶養控除などの 該当するかの自動判定
  • 申告書の データ作成・保存、プレビューと印刷
  • マイナンバーカードによる 電子署名、または ID・パスワードの設定

ただし、年調ソフトは年末調整を電子化するための道具のひとつです。民間のソフトウェアでも電子化はできます(問5-11)。年調ソフトを使うかどうかを含め、年末調整のやり方は勤務先が決めます(問5-3)。

国税庁のFAQに書かれていること

FAQの該当部分は次のとおりです。

国税庁のFAQ 問5-59・問5-60
出典: 国税庁「年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問(FAQ)(令和8年10月改訂版)」52ページ

① 問5-59:なぜパソコン版を公開しないのか

問は「令和9年度版の年調ソフトでは、パソコン版の公開は行わず、スマートフォン版のみの公開と聞きましたが、何故(中略)公開は行わないのでしょうか」です。

答えは、パソコン版の利用に比べてスマートフォン版の利用が増えていること等を踏まえ、令和9年度はスマートフォン版のみの公開とすることを予定している、というものです。

② 問5-60:データはどう移すのか

これまでパソコン版を使ってきた人向けに、パソコン版で出力した申告書データを、スマホ版で取り込むことで移行できると答えています。詳しい取り込み方は、国税庁のマニュアルを見るよう案内しています。

どちらの問も 「令和8年10月追加」 と書かれています。2026年11月5日時点では、国税庁の年調ソフトのページの「おしらせ」欄に、この件の告知は載っていません。

今年(令和8年分)の年末調整はどうなる?

今年はパソコン版もそのまま使えます。国税庁は 2026年10月1日に、令和8年分の年調ソフトの正式版を公開 しました。令和8年分の年調ソフトは、12月1日以後に行われる令和8年分の年末調整 に対応しています。

パソコン版 スマートフォン版
対応OS(令和8年版) Windows 11/macOS 15以降 Android 13以降/iOS 18.0以降
入手先 Microsoft Store・App Store(入手できなければ国税庁のサイト) Google Play Store・App Store
令和8年分 公開中(Windows Ver.7.0.1、Mac Ver.7.0.0) 公開中
令和9年度版 公開しない予定 公開する予定
令和8年分の年調ソフト:パソコン版とスマホ版
国税庁のFAQ(令和8年10月改訂版)をもとに IT Picks 編集部が作成

Android は、ユーザー補助設定のフォントサイズ・表示サイズがデフォルト であることも条件になっています(問5-5)。

令和8年分には不具合の告知も

国税庁は10月22日、令和8年分の年調ソフトで動作に影響する事象を確認していると告知しました。主な内容は次の2つで、どちらも11月中旬頃に修正版を再リリースする予定です。

  • 23歳未満の扶養親族について、条件によって合計所得金額が0円として設定され、所得金額調整控除額や生命保険料控除額が過大になる場合がある
  • Android で「書面出力」を選ぶと画面が暗くなり、PDFを見られない(「電子データで出力する」を選んで、メールに渡されたPDFを保存して見るのが暫定の対応)

詳しい発生条件は、国税庁の告知「令和8年分年調ソフトに関する事象について」(PDF)に載っています。

スマホ版へのデータの移し方

FAQの問5-60のとおり、パソコン版で出力した申告書データ(ZIPファイル)を、スマホ版で取り込む 形です。スマホ版の操作マニュアル(令和8年10月 第7.0版)では、手順は次のようになっています。

  1. スマホ版のメニュー画面で [申告書データを利用して作成] をタップ
  2. 取り込むデータの種類を選ぶ(前年分を使うか、作成の再開か)
  3. 取り込む電子データ(ZIPファイル) を選ぶ
  4. データを解凍する パスワード を入力して実行

注意点として、住宅借入金等特別控除申告書は、従来から取り込みの対象外 とされています。

パソコン版で作ったデータを来年スマホ版に移すには、パソコン版で出力した申告書データ(ZIPファイル)と、そのパスワード が手元に必要になります。今年の申告書を出したら、データとパスワードを分かる場所に残しておく と、来年の移行で困りにくくなります。

会社員・給与担当者がやっておくこと

国税庁の案内をもとに、今のうちに確かめておけることを整理します。

① 勤務先がどの方法を使うかを確かめる

年調ソフトを使うかどうかは 勤務先が決めること です。年調ソフトのほかに、民間の年末調整ソフト や 紙の申告書 を使う方法もあります。来年の方法は、勤務先の案内 を待ちましょう。

② スマホが対応しているかを確かめる

スマホ版は Android 13以降・iOS 18.0以降 が対象です(令和8年版)。マイナポータル連携や電子署名を使う場合は、マイナンバーカードを読み取れるスマホ か、スマートフォン用電子証明書を入れられるスマホ が必要です。Android はスマートフォン用電子証明書での電子署名に対応し、iPhone はマイナンバーカードで電子署名をします(問3-4)。

Android のスマホにマイナンバーカードの機能を入れる話は、こちらの記事にまとめています。

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③ 給与担当者は、従業員への案内を見直す

従業員にパソコン版の年調ソフトを案内している会社は、FAQの予定どおりなら、来年はスマホ版か別の方法を案内する ことになります。社内のパソコンで年調ソフトを使わせている場合も同じです。操作の問い合わせは、国税庁の 年調ソフトヘルプデスク(0570-02-4563、9時〜17時。10月1日〜12月28日は毎日) でも受け付けています。

IT Picksで確認したこと

2026年11月5日時点で、国税庁のページ「年末調整手続の電子化に向けた取組について」を開き、おしらせ欄と入手方法の表示を確認しました。

ページ上部の 「おしらせ」欄 には、令和8年分の正式版の公開(10月1日)、FAQの掲載(10月1日)、不具合の告知(10月22日)、ヘルプデスクの開設などが並んでいました。パソコン版を公開しない予定についてのお知らせは、この欄にはありませんでした。

国税庁「年末調整手続の電子化に向けた取組について」のおしらせ欄
2026年11月5日時点(出典: 国税庁「年末調整手続の電子化に向けた取組について」)

同じページの 「入手方法(令和8年分)」 には、各ストアでの検索方法とスマホ用のQRコードに加えて、ストアから入手できないパソコン向けに Windows版(Ver.7.0.1)と Mac版(Ver.7.0.0) のダウンロードが載っていました。今年はパソコン版も配布されている ことが、画面でも分かります。

国税庁のページの「入手方法(令和8年分)」
2026年11月5日時点(出典: 国税庁「年末調整手続の電子化に向けた取組について」)

利用者の反応

この件は、INTERNET Watch の「やじうまWatch」(2026年11月5日)が FAQの中にだけ書かれていて大きな告知がない ことを取り上げ、SNSを中心に話題になっている と紹介しています(出典)。

はてなブックマークでも、この記事に公開コメントが付いています。

  • nakex1 さんは、会社が業務用の端末を配っていない場合、会社に出す書類を個人のスマホで作ることになる と指摘しています(出典)
  • ROYGB さんは、スマホでの入力は面倒そうで、外部キーボードを使えばよいのか と書いています(出典)
  • mk173 さんは 「ブラウザでも良いような」 とコメントし、kuippa さんも Web版にまとめる話ではないのか と疑問を書いています(出典、出典)
  • scorelessdraw さんは、スマホ版も使いやすいとは言いにくい という感想です(出典)

なお、Web版(ブラウザで使う版)を出すかどうかは、国税庁のFAQには書かれていません。

IT Picks的な所感

スマホ版の利用が増えたことを理由に、作る版を絞る という判断自体は、利用の実態に合わせた見直しとして理解できるものだと思います。今年もパソコン版は Windows・Mac・ストア版・サイト版と、作り分けが多い状態 でした。

一方で、会社のパソコンで書類を作っていた人 や、個人のスマホを業務に使いたくない人 には、来年から負担が増えるおそれがあります。大事な変更がFAQの回答だけで示された 点も、利用者や給与担当者に届きにくいと感じます。

例年10月上旬にリリースされることを考えると、来年の年末調整に向けて、勤務先とスマホの準備を早めに確かめておく のが安心です。国税庁から正式なお知らせや、データ移行の詳しい案内が出るのを待ちたいところです。

まとめ

年調ソフトのパソコン版のポイントをまとめます。

  • 発表:国税庁の利用者向けFAQ(令和8年10月改訂版)問5-59・問5-60(令和8年10月追加)
  • 変わること:令和9年度版は、パソコン版を公開せずスマートフォン版のみを公開する予定
  • 理由:パソコン版の利用に比べて、スマートフォン版の利用が増えていること等
  • 今年(令和8年分):パソコン版・スマホ版とも公開中(2026年10月1日に正式版)
  • データの移行:パソコン版で出力した申告書データを、スマホ版で取り込める
  • スマホ版の対応OS(令和8年版):Android 13以降、iOS 18.0以降
  • 不具合:令和8年分の事象2件について、11月中旬頃に再リリース予定
  • 問い合わせ:年調ソフトヘルプデスク 0570-02-4563(9時〜17時)

今年の申告書を出したら データとパスワードを残し、来年の方法を 勤務先の案内で確かめておきましょう。

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