AIエージェントでVPSを操作するには?主要3社のMCP比較【2026年版】
「Claude や ChatGPT に『サーバーを再起動して』と頼むだけで、VPS を操作できたら便利なのに」——そう考えている人に向けた記事です。
結論から言うと、ConoHa VPS と XServer VPS は、AI エージェントから VPS を操作するための公式の MCP サーバーを提供しています。さくらのVPS は MCP ではなく REST API を公開しており、プログラムからの自動化に使えます。
今このテーマを整理するのには理由があります。2026年9月に、ConoHa VPS のリモートMCPが ChatGPT のプラグインディレクトリに追加(9月1日)され、XServer VPS も 「XServer API」「XServer MCP Server」に対応(9月8日)しました。さらに XServer VPS は 10月6日に新規受付を再開し、ConoHa VPS は 10月29日16時までキャンペーン中です。AI エージェント対応という新しい物差しで VPS を選べるようになった——という位置づけです。
この記事はこんな人向けです
- Claude や ChatGPT、Claude Code から VPS の起動・停止や設定変更をしたい
- ConoHa VPS・XServer VPS・さくらのVPS のどれが AI エージェントに対応しているか知りたい
- AI に VPS を任せるときの安全な設定(権限・確認)を押さえておきたい
VPSの「MCP対応」とは?一言でまとめると
MCP(Model Context Protocol) は、AI エージェントが外部のサービスを操作するための共通の接続方式です。VPS 事業者が MCP サーバーを用意していれば、Claude や ChatGPT などに 自然な日本語で指示するだけで VPS を操作できます。
似た言葉との違いを整理します。
| 仕組み | 使う人 | 特徴 |
|---|---|---|
| コントロールパネル | 人 | ブラウザで画面を見ながら操作 |
| REST API | プログラム | APIキーで認証し、決まった形式のリクエストを送る |
| CLI | 人・スクリプト | ターミナルからコマンドで操作 |
| MCP サーバー | AI エージェント | API の機能を AI が呼び出せる形にしたもの。指示は自然言語 |
MCP サーバーの多くは、裏側で各社の API を呼び出しています。つまり「AI から何ができるか」は、その事業者の API で何ができるかで決まります。
主要3社のAIエージェント対応を比較
国内の主要な VPS 3社の対応状況を、公式ページの記載どおりに並べます。
| 項目 | ConoHa VPS | XServer VPS | さくらのVPS |
|---|---|---|---|
| 公式 MCP サーバー | あり(リモート版・OSS 版) | あり(XServer MCP Server) | 公式マニュアルに記載なし(REST API を公開) |
| 接続方法 | URL を登録して ConoHa アカウントで認可(OAuth 2.1) | APIキーを設定し、手元の PC で起動(npx) | APIキーで直接リクエスト |
| 対応する AI | Claude・ChatGPT・Claude Code・Codex CLI・GitHub Copilot など | Cursor・Claude Desktop・Claude Code・Codex・GitHub Copilot など | —(自分で組み込む) |
| できる操作の例 | 作成・削除・起動・停止・リサイズ、セキュリティグループ、ボリューム、SSH キー | 電源操作、パケットフィルター、OS 再インストール、新規申し込み | 電源操作、パケットフィルタ、OS 再インストール、サーバー監視 |
| 危険な操作の扱い | 実環境に反映。AI に表示される操作内容の確認を案内 | 新規申し込み・OS 再インストールは初期設定で無効 | APIキーのロールで制御 |
| 対象 | VPS Ver.3.0 のみ | XServer VPS・ビジネスVPS・Windows Server・GPU(無料プランは対象外) | さくらのVPS |
| 追加料金 | 接続自体は無料 | 公式マニュアルに料金の記載なし | — |
※ 2026年10月14日時点(各社の公式ページ・マニュアル)。

表から分かるポイントは2つです。
- 手軽さなら ConoHa:URL を登録してログインするだけで、APIキーをファイルに書く必要がありません
- 権限の細かさなら XServer:APIキーごとに対象の VPS と操作権限を絞れ、危険な操作は初期設定で無効です
性能・料金を含めた3社の総合的な比較は、こちらの記事でまとめています。

ConoHa VPS:リモートMCPでChatGPT・Claudeから操作できる
ConoHa VPS の リモートMCP は、ConoHa が運営する MCP サーバーに接続する方式です。サーバーのインストールは不要で、AI エージェントに接続先を追加するだけで使い始められます。

接続先は https://api.conoha.jp/vps/mcp です。公式ページでは、AI ごとに次の追加方法が案内されています。
- Claude Code:
claude mcp addコマンドで追加し、claude mcp loginで認可 - Codex CLI:
codex mcp addコマンドで追加 - Claude:コネクタディレクトリから追加
- ChatGPT:プラグインディレクトリで「ConoHa VPS byGMO」を検索して追加(2026年9月1日から)
- GitHub Copilot:VS Code へのインストールボタンから追加
AI から操作できる主な機能は次のとおりです。
| 分類 | 主な操作 |
|---|---|
| サーバー操作 | 作成・削除・起動・停止、強制停止・再起動、プランのリサイズ、リモートコンソール URL の発行 |
| ネットワーク・セキュリティ | セキュリティグループの作成・更新・削除、ルールの作成・削除 |
| ストレージ・SSH 鍵 | ボリュームの作成・更新・削除、SSH キーペアの作成・削除 |
| 監視・情報取得 | CPU 使用時間・ディスク I/O のグラフ取得、イメージ・プランの一覧 |
| スタートアップスクリプト | スクリプトの取得、サーバー作成時に自動適用 |
※ ConoHa VPS「リモートMCP」ページ(2026年10月14日確認)。
認証は OAuth 2.1 に準拠しており、APIキーを設定ファイルに直書きせずに済みます。リモートMCPの接続自体に追加料金はかかりませんが、MCP 経由で作ったサーバーには通常の利用料金がかかります。
注意点は2つです。
- ConoHa VPS Ver.3.0 のみ対応です。Ver.2.0 のサーバーは操作できません
- ConoHa は、停止やセキュリティ設定の変更は実際の環境に反映されるため、AI に表示される対象と操作内容を確認してから実行するよう案内しています
自分の環境で動かして機能を先取りしたい人向けに、OSS 版(ローカル) も提供されています。
なお、ConoHa VPS は 2026年10月29日16時まで「Happy Halloweenキャンペーン」 を実施中で、長期割引の「まとめトク」が割引価格になっています。
ConoHa VPS の料金や特徴は、こちらの記事で解説しています。


XServer VPS:APIキーで「対象」と「権限」を絞れる
XServer VPS は 2026年9月8日に「XServer API」に対応しました。あわせて、AI アシスタントから操作できる「XServer MCP Server」と、コマンドラインの「XServer CLI」も VPS の操作に対応しています。

XServer VPS 向けの MCP サーバーは、手元の PC 上で動かす方式です(VPS へのインストールは不要)。Node.js(v18 以上) が必要で、AI エージェントの設定に npx -y xserver-mcp --services=vps と APIキーを登録します。Cursor・Claude Desktop・VS Code(GitHub Copilot)・Claude Code・Codex の設定例がマニュアルに載っています。
AI から操作できるのは次の5分類です。
| 分類 | 主な操作 |
|---|---|
| VPS 情報 | 一覧・詳細、メモ・サーバー名・逆引きホスト名の変更 |
| 電源操作 | 電源状態の確認、起動・再起動・停止 |
| パケットフィルター | ON/OFF、ルールの追加・変更・削除 |
| OS 再インストール | イメージ一覧、実行、進捗確認、操作保護の取得・変更 |
| 新規申し込み | プラン・料金の確認、申し込み、状況確認 |
※ XServer VPS マニュアル「XServer MCP Server」(2026年10月14日確認)。
XServer の特徴は、安全側に倒した設計です。
- APIキーごとに対象の VPS と操作権限(すべての操作/読み取り専用/カスタム)を選べ、IP アドレス制限や有効期限も設定できる
- 新規申し込み(料金が発生)と OS 再インストール(データが消える)は、初期設定では実行できない。使うには APIキー側の権限と、MCP 側の環境変数
XSERVER_MCP_ENABLE_HIGH_RISK_EXECUTEの両方の設定が必要 - 新規申し込みは、税込の合計金額を表示して明示的に承認したときだけ実行される
- API の実行ログを 90日分確認できる
API のレート制限は 1分あたり60リクエスト、1日あたり10,000リクエスト、同時接続5 です。また、無料プランとゲーム専用VPS は対象外です。
ブラウザ版の Claude から使える「リモート版」もありますが、マニュアル上の対象プランはレンタルサーバー(スタンダード・プレミアム・ビジネス)で、VPS 向けの手順は上のローカル版として案内されています。
XServer VPS は 9月17日から新規受付を止めていましたが、10月6日17時に再開しました(ビジネスプランと無料VPSは引き続き停止中)。
Xserver VPS の料金・特徴は、こちらの記事でまとめています。


さくらのVPS:MCPではなくREST APIで自動化
さくらのVPS は、「さくらのVPS API」 を公開しています。2026年10月14日時点で、公式マニュアルに VPS 向けの MCP サーバーの案内は見当たりません。
API の概要は次のとおりです。
- URL:
https://secure.sakura.ad.jp/vps/api/v7/ - 認証:Bearer 認証。APIキーはコントロールパネルで「ロールの追加」と「APIキーの追加」をして発行
- 主な操作:サーバー情報の取得・更新、起動・シャットダウン・強制再起動、パケットフィルタの取得・更新、OS 再インストール、サーバー監視の作成・削除など
公式ドキュメントは「API はまだ一部の機能に制限しており、順次機能を追加していく予定」としています。AI から操作したい場合は、この API を呼び出すツールを自分で用意する形になります。プログラムで定型作業を自動化したい人に向いた選択肢です。
さくらのVPS の特徴は、こちらの記事で解説しています。


VPSの上でAIエージェントを動かすなら
ここまでは「AI から VPS を操作する」話でした。もう一つの使い方が、VPS の上で AI エージェントそのものを動かすことです。24時間動かしておけるので、チャット経由の作業や定期的な処理に向いています。
ConoHa VPS と XServer VPS は、AI エージェントを最初から入れた状態で VPS を作れるようにしています。
| ConoHa VPS(スタートアップスクリプト) | XServer VPS(アプリイメージ) | |
|---|---|---|
| AI コーディング | Claude Code・Codex CLI・Antigravity CLI・OpenCode | Claude Code・Codex CLI・Gemini CLI |
| AI タスク実行など | OpenClaw・NanoClaw・Hermes Agent | OpenClaw、Dify、n8n |
| 条件・補足 | Takumi byGMO「Guard」の有効化コマンドを同梱 | Claude Code・Codex CLI・Dify・Gemini CLI はメモリ 4GB 以上のプラン |
※ 2026年10月14日時点(ConoHa VPS「Takumi byGMO の Guard 機能」ページ、XServer VPS「OS・アプリイメージ一覧」)。
ConoHa は 2026年9月25日に、Takumi byGMO の「Guard」機能の提供を始めました。AI エージェントがパッケージを取得するときに、悪性と判定されたパッケージをインストール前にブロックする仕組みです。
- 対応:npm・pip/uv・RubyGems・Go modules・Composer
- 有効化:サーバー作成後に
/root/takumi-guard.sh enableを実行(既定は無効) - 料金:追加費用なし(ConoHa VPS の利用料金は別途)
- 範囲外:インストール済みパッケージの事後スキャンではありません
AI エージェントは環境構築のために多くのパッケージを短時間で入れるため、取得の段階で検査するという発想です。
AI アプリ開発基盤の Dify を VPS で動かす方法は、こちらで詳しく比較しています。

AIに任せる前に:安全に使うための4つの設定
AI エージェントは便利ですが、指示の解釈を誤れば、サーバーの停止や削除まで実行できてしまいます。各社の公式マニュアルの案内をもとに、最初に押さえたい設定をまとめます。

① まずは「読み取り専用」から始める
XServer の APIキーは「読み取り専用」を選べます。最初は一覧・状態確認・グラフ取得などに限定し、慣れてから変更系の操作を許可するのが安全です。
② 操作できる対象を絞る
XServer は APIキーごとに対象の VPS を選べます。本番とテスト用で APIキーを分ければ、本番サーバーを誤って操作するリスクを減らせます。ConoHa の場合は、AI に表示される対象リソースを実行前に確認するのが基本です。
③ 取り返しのつかない操作は止めておく
XServer の 新規申し込み・OS 再インストールは初期設定で無効です。さらに VPS 側で操作保護を有効にすると、OS 再インストールを拒否できます。必要なときだけ有効にするのが安全です。
④ VPS 上の AI エージェントは自分で更新する
VPS の中身は利用者の管理範囲です。XServer VPS は、2026年3月24日に OpenClaw の脆弱性(CVE-2026-22172)について注意喚起し、最新版へのアップデートを案内しました。各社の「お知らせ」で脆弱性情報を追い、更新することが欠かせません。
公開されている試用記録
公式機能を試した人の記録を、参考として紹介します。いずれも個人の環境での記録です。
- GitHub Copilot から ConoHa の MCP を使った例:Qiita のめんどい太郎さんは、2025年11月30日の記事で、VS Code の GitHub Copilot から ConoHa VPS の MCP サーバー(API パスワードを設定するローカル版)を使い、「MCPサーバ、めっちゃ簡単」と書いています。一方で、途中でサーバーの削除や追加を始めたため止めたとし、冒頭で課金が発生する可能性に注意を促しています(出典)
- ローカル LLM のチャットから ConoHa を操作した例:Qiita の K Mizu さんは、2026年5月2日の記事で、Langflow と Ollama(gpt-oss:20b)から自作の MCP サーバー経由で ConoHa VPS のサーバー一覧などを取得し、プロンプトで「破壊的操作(削除・更新)は明示確認を取る」と指定しています(出典)
- XServer の MCP・CLI の使いどころを整理した例:note のほしちゃんさんは、2026年5月12日の記事(実機の検証ではなく解説)で、最初に任せるのはサーバー情報の確認やログの整理など「確認に近い作業」が向いているとし、「いきなり本番環境でAIに丸投げするのは危ない」と書いています(出典)
共通しているのは、便利さは認めつつ、変更系の操作には確認を挟むという姿勢です。前の節の4つの設定と同じ考え方です。
よくある質問
Q. MCP を使うのに追加料金はかかりますか?
A. ConoHa はリモートMCPの接続自体は無料と明記しています。ただし、AI から作成したサーバーには通常の利用料金がかかります。XServer は、公式マニュアルに MCP の料金の記載はなく、API のレート制限(1分60リクエスト・1日10,000リクエスト)が示されています。
Q. ChatGPT とClaude のどちらで使えますか?
A. ConoHa のリモートMCPは両方に対応しています(ChatGPT はプラグインディレクトリ、Claude はコネクタディレクトリから追加)。XServer VPS の MCP は、Claude Desktop・Claude Code・Cursor など、手元で MCP サーバーを起動できるアプリ向けの手順が案内されています。
Q. ConoHa VPS の古いサーバーでも使えますか?
A. リモートMCPは ConoHa VPS Ver.3.0 のみ対応です。Ver.2.0 の場合は、Ver.3.0 のサーバーを用意する必要があります。
Q. どの VPS を選べばいいですか?
A. ChatGPT や Claude から手軽に使いたいなら ConoHa VPS、APIキーで権限を細かく管理したいなら XServer VPS、API で定型作業を自動化したいならさくらのVPS が候補です。VPS 選び全体の考え方はVPSの選び方を整理した記事をご覧ください。
まとめ
AI エージェントから VPS を操作する方法のポイントをまとめます。
- ConoHa VPS:リモートMCP(
https://api.conoha.jp/vps/mcp)。ChatGPT・Claude・Claude Code などに対応、OAuth 2.1、接続は無料、Ver.3.0 のみ - XServer VPS:XServer API・MCP Server に 2026年9月8日対応。APIキーで対象と権限を設定、新規申し込み・OS 再インストールは初期設定で無効
- さくらのVPS:MCP ではなく REST API(v7)。電源操作・パケットフィルタ・OS 再インストールなど
- VPS 上で AI エージェントを動かす:ConoHa のスタートアップスクリプト(Guard 同梱)、XServer のアプリイメージ(メモリ 4GB 以上)
- 安全に使うコツ:読み取り専用から始め、対象を絞り、危険な操作は止め、脆弱性情報を追う
- 今の動き:XServer VPS は 10月6日に新規受付を再開、ConoHa VPS は 10月29日16時までキャンペーン中
まずは読み取り専用の操作から AI に任せ、使い方に合った VPS を選んでみてください。
