RTX Spark搭載ノート、日本6社の価格と発売日【2026年11月】
NVIDIA の新しい PC 向けチップ「RTX Spark」を搭載したノートPCが、日本でも出そろいました。
2026年11月3日時点で、ASUS・Dell・HP・Lenovo・Microsoft・MSI の6社が、日本の公式ストアやニュースリリースで RTX Spark 搭載ノートPCの価格・発売時期を案内しています。最も安い構成は レノボの「Yoga Pro 9n Gen 11」の49万7,000円(税込) です。

RTX Spark は、GPU と CPU、大容量メモリを1つにまとめた「スーパーチップ」です。大きな AI モデルをクラウドに送らず手元の Windows ノートで動かすための PC——という位置づけです。
この記事はこんな人向けです
- NVIDIA の「RTX Spark」がどんなチップなのか、ざっくり知りたい
- 日本で買える RTX Spark 搭載ノートPCの価格と発売日を比べたい
- ローカルで AI を動かせる「AI PC」の購入を検討している
RTX Sparkとは?一言でまとめると
NVIDIA の GPU「Blackwell RTX」と CPU「Grace」、最大128GB の統合メモリを1つにまとめた、Windows PC 向けのチップです。
NVIDIA の製品ページでは、ノートPC向けの仕様を次のように示しています。
| 項目 | ノートPC向け RTX Spark N1X(NVIDIA の仕様表) |
|---|---|
| GPU | 6,144コア NVIDIA Blackwell RTX GPU |
| CPU | 20コア NVIDIA Grace CPU |
| メモリ | 最大128GB LPDDR5X(CPU と GPU で共有する統合メモリ) |
| AI 性能 | 最大1ペタフロップス(FP4) |
| 消費電力(TDP) | 45〜80W |
| OS | Windows 11 |
※ NVIDIA 製品ページ(2026年11月3日時点)をもとに作成

「統合メモリ」とは、CPU と GPU が同じメモリを共有する仕組みのことです。GPU 専用メモリの容量に縛られないため、大きな AI モデルをまるごとメモリに載せられるのが特徴です。NVIDIA 日本語ブログによると、CPU の設計には MediaTek が協力しています。
なお、各社の製品には 5,120コア GPU・18コア CPU の構成もあります(Dell・Lenovo・Microsoft の公式ページの仕様)。安い構成ほどこちらのチップになっているので、選ぶときはコア数も確認しましょう。
日本で買えるRTX Spark搭載ノートPC一覧
6社の機種を、公式ページで確認できた範囲で比べます。価格はすべて税込です。
| メーカー | 機種 | 価格(税込) | 発売・販売 | 主な仕様 |
|---|---|---|---|---|
| レノボ | Yoga Pro 9n Gen 11(15型) | 49万7,000円〜 109万4,800円 | 販売中(11月3日時点のお届け予定は11月24〜30日頃) | 15.3型 OLED、約1.65〜1.75kg、32GB〜128GB |
| マイクロソフト | Surface Laptop Ultra | 51万3,480円〜 109万4,280円 | Microsoft Store で販売(128GB は在庫なし) | 15型、2kg 未満、24GB〜128GB |
| 日本HP | OmniBook Ultra 16-bk | 59万9,500円〜 129万8,000円 | 64GB は10月29日受注開始、32GB・128GB は11月以降 | 16型 3K OLED、約2.22kg、32GB〜128GB |
| デル | XPS 16 Creator Edition | 79万9,598円〜(配送料込) | 販売中(受注後 通常約10日〜2週間でお届け) | 16型 3.2K OLED、2.02kg〜、32GB〜128GB |
| ASUS | ProArt P14(H7407) | 94万9,800円(48GB)/119万8,000円(128GB) | 128GB は10月23日発売、48GB は11月中旬発売予定 | 14型 OLED、約1.48kg |
| ASUS | ProArt P16(H7607) | 99万9,800円(48GB)/124万8,000円(128GB) | 128GB は10月23日発売、48GB は11月中旬発売予定 | 16型 OLED、約1.77kg |
| MSI | Prestige N16 Flip AI+ C1XM | オープンプライス | 10月下旬から順次発売 | 16型 OLED の2-in-1、約1.9kg、64GB / 128GB |
※ 2026年11月3日時点の各社公式ページ・ニュースリリースをもとに作成。価格は構成・時期で変わります

最安構成で比べると、レノボとマイクロソフトが50万円前後、HP が約60万円、デルが約80万円です。ASUS は全モデルが6,144コア GPU・20コア CPU の上位チップで、95万円からとやや高めの設定です。
各社のモデルの特徴
① レノボ Yoga Pro 9n Gen 11:いちばん安く始められる
15.3型の 2.5K OLED を搭載したクリエイター向けモデルです。最安の49万7,000円の構成は、18コア CPU・32GB メモリ・512GB SSD・Windows 11 Home(ARM 版)。最上位は20コア・128GB・2TB で109万4,800円です。重さは約1.65kg(タッチなし)〜約1.75kg(タッチあり)です。
② マイクロソフト Surface Laptop Ultra:メモリの選択肢が多い
15インチのタッチスクリーン(120Hz) を搭載し、メモリは 24GB・32GB・48GB・64GB・128GB から選べます。51万3,480円の構成は 5,120コア GPU・18コア CPU・24GB で、6,144コア GPU の構成は 70万7,080円からです。2026年11月3日時点では、128GB 構成(109万4,280円)が在庫なしになっています。
③ 日本HP OmniBook Ultra 16-bk:16型で厚さ約15.7mm
16インチ 3K OLED のタッチディスプレイを搭載したモデルです。32GB・64GB・128GB の3モデルで、HP の製品ページでは 59万9,500円から。日本HP のニュースリリースでは、64GB モデルが10月29日から受注開始、32GB と 128GB は11月以降の受注開始とされています。
④ デル XPS 16 Creator Edition:構成を細かく選べる
Dell の日本の公式サイトで、79万9,598円(税込・配送料込)から購入できます。初期構成は 18コア(5,120コア GPU)・32GB・512GB SSD で、20コアやメモリ 64GB・128GB は追加料金で選びます。ディスプレイは 16インチ 3.2K(3,200×2,000)の OLED です。
⑤ ASUS ProArt P16 / P14:全モデルが上位チップ
ASUS JAPAN は、16型の ProArt P16 と 14型の ProArt P14 を用意しました。どちらも 6,144コア GPU・20コア CPU のチップで、メモリは 128GB(10月23日発売) と 48GB(11月中旬発売予定) の2種類です。P14 は約1.48kg と、公式に重さが示されている中では最も軽いモデルです。
⑥ MSI Prestige N16 Flip AI+:唯一の2-in-1
画面が360度回転してタブレットのようにも使える2-in-1です。MSI のニュースリリースによると、RTX Spark 搭載ノートPCとして最初に発表された製品群の中で唯一の2-in-1。128GB(4K+ OLED)と64GB(2,880×1,800 OLED)の2モデルで、価格はオープンプライス(販売店ごとに決まる)です。ペン「MSI Nano Pen」が付属します。
OSはArm版Windows 11:注意したいこと
RTX Spark 搭載 PC の OS は Windows 11 です。ただし、一般的なノートPCの Windows(x64 版)ではなく Arm 版の Windows 11 です。レノボの製品ページは「Windows 11 Home 64bit ARM版」、MSI のニュースリリースは「Arm版Windows 11」と明記しています。
Arm 版 Windows では、Arm 向けに作られていないアプリはエミュレーション(x64 アプリを変換して動かす仕組み)で動きます。PC Watch でレビューした日沼 諭史 氏は、AI ベンチマークやゲームの一部が x64 エミュレーションで動いており、Arm ネイティブ対応が進めば評価が変わる可能性があると述べています(出典)。
また、PC Watch の若杉 紀彦 氏は、カーネルレベルのアンチチート(不正対策ソフト)は移植が発表された段階だと指摘しています(出典)。オンライン対戦ゲームが主な目的なら、遊びたいタイトルの対応を事前に確かめておくと安心です。
何に向いている?AI PCとしての使い道
NVIDIA は RTX Spark を「エージェントと AI 向けに構築」したチップと説明しています。製品ページで挙げている使い道は、主に次の3つです。
- ローカル AI: 最大128GB の統合メモリにモデル全体を載せ、1M コンテキストで最大120B(1,200億)パラメータのモデルを実行できるとしています。ローカルで動かせば、API の利用料金を払わずに、データを手元に置いたまま使えるのが利点です
- 開発: AI の開発で広く使われている CUDA が RTX Spark 上でネイティブに動作します。手元で作ったものを、そのままクラウドの NVIDIA GPU に持っていけるとしています
- 制作・ゲーム: Blackwell RTX GPU で、レイ トレーシングや DLSS などの RTX の機能が使えます
一方で、価格は50万〜130万円と、一般的なノートPCより大幅に高めです。手元で大きな AI モデルを動かしたい開発者やクリエイター向けの製品と言えます。
販売店・提供状況
NVIDIA 日本語ブログによると、RTX Spark 搭載ノートPCは米国時間の2026年10月16日に発売されました。日本では、各社の公式ストアに加えて家電量販店でも扱います。
- NVIDIA の製品ページに載っている購入先: アプライド、ビックカメラ、コジマ、ソフマップ、エディオン
- ASUS の販売店(ニュースリリース): ASUS Store、アプライド、Amazon.co.jp、エディオン、ケーズデンキ、コジマ、Joshin、ソフマップ、ビックカメラ、ヤマダデンキ、ヨドバシカメラ

なお、NVIDIA は RTX Spark を搭載したコンパクトなデスクトップPCも用意しています。10月15日の NVIDIA 日本語ブログでは「11月に発売予定」とされていますが、日本での機種・価格は、2026年11月3日時点で公式の案内を確認できませんでした。
利用者の声
すでに実機を試したメディアの評価を紹介します(ベンチマークの数値は省きます)。
- 薄さとソフト資産を評価する声: PC Watch の日沼 諭史 氏は、ProArt P14 の薄型ボディを「AI ワークステーション」としては非常にコンパクトだと評価し、Windows の既存ソフトをそのまま使える点を利点に挙げています(出典)
- 発売直後ならではの課題: 同じレビューでは、執筆時点では標準ドライバーしか使えなかったこと、高負荷時のファン音が大きいことも指摘しています(出典)
- 価格とコストの比較: PC Watch の若杉 紀彦 氏は、クラウドとローカルのモデルを使い分けられる点に可能性を見る一方、128GB モデルは約100万円と高額で、多くの個人にはクラウドの月額契約のほうが総コストを抑えられる可能性があると述べています(出典)
IT Picks的な所感
これまで「大きな AI モデルを手元で動かす」には、GPU を積んだデスクトップか専用機が必要でした。RTX Spark は、それを持ち運べる Windows ノートで実現しようとする試みで、6社が一斉に製品を出したことに業界の本気度が表れていると思います。
ただ、最安でも約50万円という価格と、Arm 版 Windows のアプリ互換性は、まだ一般の人が気軽に選べる段階ではないことも示しています。AI の開発や映像制作を手元で完結させたい人には有力な選択肢、それ以外の人はドライバーやアプリの対応が進むのを待つのが現実的だと考えています。
Microsoft は10月の発表で、Windows を AI をローカルとクラウドで使い分ける「ハイブリッドインテリジェンス」の基盤にする構想を示しました。RTX Spark はその「ローカル側」を担うハードウェアです。

Windows 11 そのものの改善は、Windows 11が最大20%高速になるアップデートの記事で、Mac 側の動きはタッチ対応の新しい MacBook Pro の記事で紹介しています。
まとめ
RTX Spark 搭載ノートPCのポイントをまとめます。
- チップ:GPU(最大6,144コア)・CPU(最大20コア)・統合メモリ(最大128GB)を1つにまとめた NVIDIA の「スーパーチップ」
- AI 性能:最大1ペタフロップス(FP4)。最大120B パラメータのモデルをローカルで実行できると NVIDIA は説明
- OS:Arm 版 Windows 11
- 日本で出しているメーカー:ASUS・Dell・HP・Lenovo・Microsoft・MSI の6社
- 最安構成:レノボ Yoga Pro 9n Gen 11 の49万7,000円(税込、2026年11月3日時点)
- 発売:米国で2026年10月16日。日本は機種ごとに順次(ASUS の48GB モデルは11月中旬、HP の一部は11月以降)
購入を考えている人は、チップのコア数(5,120コア / 6,144コア)とメモリ容量、そして使いたいアプリが Arm 版 Windows で動くかを、各社の公式ページで確かめてから選びましょう。
