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Octoverse 2026、PRの4割超がAI発に【2026年11月】

Octoverse 2026、PRの4割超がAI発に【2026年11月】
IT Picks編集部

「最も使われている言語は2年連続で TypeScript」——GitHub の年次レポートが国内でも話題になっています。

2026年10月28日(米国時間)、GitHub が年次レポート 「Octoverse 2026」 を公開しました。この1年で GitHub への push は179億回、マージされたプルリクエスト(PR)は 13億件 と過去最高を更新し、PR の4割超が AI エージェントの下書きから始まる ようになったという内容です。

Octoverse: Commits, pushes, reach new highs in 2026 as developers build with agents
Octoverse: Commits, pushes, reach new highs in 2026 as developers build with agents

ただし、数字ごとに 対象(公開リポジトリだけか、非公開も含むか)や数え方が違う ため、見出しだけを読むと誤解しやすいレポートでもあります。この記事では公式の定義に沿って要点を整理します。AI エージェントが「試すもの」から「一緒に働くもの」になった1年の記録——という位置づけです。

この記事はこんな人向けです

  • GitHub を使って開発していて、今年の開発の動きを数字でつかみたい
  • 「TypeScript が2年連続1位」「Rust が急伸」などの話題を、公式の数字と定義で確かめたい
  • 日本の開発者の数や、AI エージェントがどこまで使われているかを知りたい

Octoverse 2026とは?一言でまとめると

Octoverse は、GitHub が毎年まとめている開発者の活動のレポートです。2026年版の主な数字は次のとおりです。

項目 2026年版の数字
対象期間 2025年10月1日〜2026年9月30日
GitHub の開発者 2億2,500万人超
push の回数 179億回(2024年・2025年の合計より多い)
マージされた PR 13億件(1日平均350万件)
エージェントが始めた PR 40%超(2026年9月。3月は17%)
言語の1位 TypeScript(2年連続)
日本の開発者 715万人(2026年9月)

数字は特に断りがない限り 公開・非公開のリポジトリの合計 です。業界別・オープンソース(OSS)の貢献・OSS のランキングは 公開リポジトリだけ の数字です。

また、2024年・2025年の数字は 今年と同じ定義・期間で計算し直したもの です。過去のレポート(公開リポジトリだけ・9月1日〜8月31日の期間)の数字とは一致しない点に注意してください。

GitHub Blog の Octoverse 2026 の記事
2026年11月5日時点(出典: GitHub Blog「Octoverse: Commits, pushes, reach new highs in 2026 as developers build with agents」)

活動量が過去最高に:pushは2年前の3倍超

まずは全体の活動量です。どの指標も 2025年から大きく伸びました。

指標 2024年 2025年 2026年
push 52億 67億 179億
コミット 100億 129億 343億
Actions のジョブ 80億 140億 454億
マージされた PR 4億200万 5億3,800万 13億

※ 各年とも9月30日までの12か月。公開・非公開リポジトリの合計

push・コミット・PRの3年比較
GitHub Blog「Octoverse 2026」をもとに IT Picks 編集部が作成

push(変更を GitHub に送る操作)は 2024年と2025年の合計より多い179億回 でした。コミットは 2年前の3倍超の343億 です。1回の push に複数のコミットが入るため、コミットの数のほうが多くなります。

自動化も増えています。GitHub Actions のジョブは 毎秒1,440回、1日1億2,400万回 動き、前年の3倍超 です。依存関係を更新する Dependabot の PR は 3,000万件超がマージ され、2025年の約2倍のペースでした。

GitHub によると、活動は1月から増え続け、6月ごろに急に伸びた とのことです。モデルの性能向上、エージェントを動かす仕組みの進化、エージェントがクラウドで長く動けるようになったことが重なった時期——と説明しています。

GitHub Actions の最近の変更は、次の記事でも紹介しています。

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AIエージェントが開発の入口に:PRの4割超

今年のレポートの中心は AI エージェント です。

2026年9月には、PR の40%超がエージェントの最初の下書きから始まりました。3月は17%で、9月だけで 1億1,000万件、3月の 約6倍 です。開発者が「何を作るか」を指示してエージェントに書かせ、レビューで仕上げる流れが広がっています。

指標 エージェントが関わる PR 関わりが検出されない PR
複数のファイルを変更 87% 79%
2週間以内にマージ(2月) 83% 約86%
2週間以内にマージ(9月) 90% 約86%

ほかにも、エージェントに関する数字が並びます。

  • エージェントの設定ファイルがあるリポジトリはコミットが平均8倍(今年作られたリポジトリどうしの比較)
  • Copilot の月間アクティブユーザーの55%がエージェント機能を使用(1年前は35%)
  • 作業を丸ごと任せる Copilot cloud agent は前年比230%増(agent chat は85%増)

エージェントの検出は「見つけられたものだけ」なので、実際の利用はこれ以上 と GitHub は説明しています。

レビュー側の道具も増えました。関連する変更を小さな PR に分けて順にレビューする Stacked pull requests は、7月30日のプレビュー開始から9月までに 26万4,000人超 が使いました。API キーなどの漏れを防ぐ push protection は、今年 58億回 のスキャンを行っています。

言語ランキング:TypeScriptが2年連続1位、Rustは伸び率トップ

コントリビューター数(貢献した人の数)の順位は、1位 TypeScript・2位 Python・3位 JavaScript でした。昨年 TypeScript が Python と JavaScript を抜いて1位になり、2026年もこの順位が続きました。

言語 月間コントリビューターの増加(2025年9月→2026年9月) 2027年9月の予測
TypeScript +362万人 約1,307万人
Python +323万人 約1,256万人
JavaScript +182万人 約742万人
言語ランキングとAIが関わるPRの割合
GitHub Blog「Octoverse 2026」をもとに IT Picks 編集部が作成

Rust はトップの言語の中で伸び率が最も高く、1年で2倍 になりました。話題の見出しでは「プルリクの増加率は Rust」とも紹介されていますが、公式の記述は 月間コントリビューター数の伸び率 です。PR の数の伸びではない点に注意してください。

伸びている言語ほど AI が関わる PR が多い のも特徴です。過去12か月のマージ済み PR のうち AI の関わりが検出された割合は、TypeScript 44.1%・Python 41.1%・Rust 40.4% でした。いちばん低い Java でも21.2%で、どの言語でも5件に1件以上 です。

GitHub は 「エージェントが選ぶ言語」が新しい要因になりつつある と見ています。2026年に作られたリポジトリのうち、エージェントの関わりがあるものは 35%が TypeScript(ないものは24%)でした。言語を指定しないと、エージェントは TypeScript など限られた言語を選びやすいようだ、という分析です。

日本の開発者は715万人:国別の数字

GitHub の開発者は2億2,500万人超 です。2026年9月時点の国別の上位10か国は次のとおりで、日本は715万人で5位 でした。

順位 国 開発者数
1 米国 3,830万人
2 インド 3,200万人
3 中国 1,240万人
4 ブラジル 1,020万人
5 日本 715万人
6 英国 647万人
7 インドネシア 634万人
8 ドイツ 630万人
9 ロシア 507万人
10 フランス 475万人

※ 開発者の国はプロフィールの自己申告の所在地による

日本の開発者の数字
GitHub Blog「Octoverse 2026」をもとに IT Picks 編集部が作成

日本についてはほかに次の数字が出ています。

  • 2026年の純増は265万人
  • 昨年の予測(2030年に1,170万人)までの道のりの 36.8% を1年で進んだ
  • 公開リポジトリへの push 数(所在地で補正)では 9位
  • アジア太平洋の背景として「AI インフラへの投資」が挙げられている

なお、米国とインドは今年それぞれ 1,000万人以上 増えました。GitHub は43の予測モデルで2031年までの伸びを試算していますが、21のモデルが3倍以上、19が2〜3倍、3つだけが2倍未満 と幅が大きく、「予測が難しくなっている」としています。

急成長したOSS:CC Switch・Omarchyなど

今年は OSS のランキングを 「コミュニティ・独立系」と「単一企業・製品主導」に分けて 発表しています。下の表は、コントリビューターの増加数(前年比、人数の増え方) で並べたものです。

順位 コミュニティ・独立系 単一企業・製品主導
1 farion1231/cc-switch anthropics/claude-code
2 punkpeye/awesome-mcp-servers openai/codex
3 omacom/omarchy anomalyco/opencode
4 firstcontributions/first-contributions microsoft/vscode
5 ggml-org/llama.cpp github/copilot-cli

※ 上位5位まで。公開リポジトリのみ、フォークは除く

  • ① CC Switch:Claude Code・Codex・OpenCode などを 1つのデスクトップアプリで管理する ツールです。API の提供元の切り替えや、MCP サーバー・スキルの管理をまとめて行えます(GitHub)
  • ② Omarchy:リポジトリの説明によると、DHH 氏が作った「エージェント対応」の Linux ディストリビューション です(GitHub)

企業側は AI のコーディングエージェントが上位を占めました。GitHub は、コミュニティ側は推論エンジンや言語などの「土台」、企業側は開発者が直接使う「道具」——という役割分担が見えると分析しています。

スター・フォーク・PR や Issue の作成者数を合わせた 「最も関心を集めたリポジトリ」 では、openclaw/openclaw(コミュニティ側)と NousResearch/hermes-agent(企業側)が1位でした。

Copilotのモデル選び:61%が複数モデルを使う

GitHub Copilot の利用者の モデル選び の数字も出ています。

  • 自分でモデルを選んだ利用者の 61%が、9月に2つ以上のモデルを使った(4か月前は50%)
  • 有料プランで使われたモデルは 5月の29種類から9月は47種類 に。25%を超えるモデルは1つもない
  • 自分で選んだリクエスト100件のうち、汎用38・推論と計画37・高速で軽量25
  • 有料の利用者の 63%が自動選択を1回以上 使った

1つの最強モデルに集まるのではなく、作業に合わせて使い分ける 流れが数字で見えます。モデルを自動で組み合わせる Copilot Fusion など、GitHub Universe 2026 で発表された新機能は次の記事にまとめています。

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業界別の見方:AIはあらゆる業界に

今年はじめて、公開リポジトリを業界別に分けた数字 も出ています。言語モデルでリポジトリを分類したもので、数字は推計 です。

  • 建設 のリポジトリは約4分の1が AI に触れ、約9%にエージェントの PR がある(業界で最も高い)
  • 管理・支援サービス、鉱業、医療、農業は 4割以上が AI に触れる が、エージェントの PR は3%未満
  • 2022年と比べると、鉱業は約65倍、管理・支援サービスと建設は17〜18倍に増えた

このほか、「相互運用」「リバースエンジニアリング」に触れる公開リポジトリは 約3万(2025年)から13万超(2026年) に増えました。リポジトリで最も使われた絵文字は ロケット(🚀) だったそうです。

IT Picks的な所感

今年の Octoverse は、「AI エージェントが開発の入口になった」ことを数字で示した レポートだと思います。PR の4割超がエージェントの下書きから始まり、2週間以内にマージされる割合も、エージェントの関わりが検出されない PR を上回りました。

一方で、レビューの重みは増していく と考えています。Stacked pull requests や push protection の数字が大きく伸びているのは、「書く」より「確かめる」ほうに手間が移っている表れでしょう。

日本は開発者数で5位、2030年の予測までの進み具合も36.8%と速いペースです。TypeScript がエージェントに選ばれやすい という分析は、これから学ぶ言語やチームの技術選定にも関わりそうです。

数字が大きいぶん、公開だけか非公開も含むか・何の伸び率か で意味が変わります。話題の見出しを引用するときは、元のレポートの定義まで確かめたいところです。

まとめ

GitHub「Octoverse 2026」のポイントをまとめます。

  • 公開日:2026年10月28日(米国時間)
  • 対象期間:2025年10月1日〜2026年9月30日
  • 活動量:push 179億回・コミット343億・マージされた PR 13億件(公開・非公開の合計)
  • AI エージェント:2026年9月に PR の40%超がエージェントの下書きから
  • 言語:1位 TypeScript(2年連続)・2位 Python・3位 JavaScript、Rust はコントリビューター数の伸び率がトップ
  • 日本:開発者715万人で5位、2026年の純増265万人
  • 急成長した OSS:CC Switch・awesome-mcp-servers・Omarchy(コミュニティ側)、Claude Code・Codex・OpenCode(企業側)

詳しい数字や定義は、GitHub Blog の Octoverse 2026 の記事で確かめてみてください。

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