さくらのVPNルータv2が終了へ、v3移行の時期と手順【2026年10月】
さくらのクラウドで、拠点や在宅のPCとクラウドをつなぐ VPNルータを使っている方に、移行の予定が入りました。
2026年10月15日、さくらインターネットはさくらのクラウド「VPNルータ」バージョン2の提供終了(EOL)予定を告知しました。同じ日に、新しいバージョン3をコントロールパネルから作成できるようになっています。

提供終了の予定日は2027年2月15日(暫定)、バージョン2から3への移行機能は2026年11月16日に提供予定です。いま動いているルータがすぐ止まる話ではありませんが、約4か月の間に移行を済ませる必要がある——という位置づけの発表です。
この記事はこんな人向けです
- さくらのクラウドで VPNルータ(旧VPCルータ)を使っている
- これから VPNルータを作るので、どのバージョンを選べばよいか知りたい
- 移行の時期と、今のうちにやっておくことを把握しておきたい
VPNルータ バージョン3とは?一言でまとめると
VPNルータの新しい世代で、機能はバージョン2と同等です。さくらは、バージョン3の提供開始に伴ってバージョン2を終了すると説明しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年10月15日 |
| バージョン3の新規作成 | API は10月8日から、コントロールパネルは10月15日から |
| 機能 | バージョン2と同等 |
| v2→v3 の移行機能 | 2026年11月16日(月)提供予定 |
| バージョン2の提供終了 | 2027年2月15日(月)予定(暫定) |
| 自動更新 | なし(利用中のルータが勝手に v3 になることはない) |

終了日は暫定で、確定した日程と終了に伴う対応内容は別途知らせるとされています。移行の手順と注意事項も、移行機能の提供開始時に案内される予定です。
そもそもVPNルータとは?旧VPCルータのこと
VPNルータは、さくらのクラウド上にVPN(仮想プライベートネットワーク)環境を作るための仮想ルータです。2025年9月18日に「VPCルータ」から名称が変わりました(仕様の変更はなし)。
主な機能は次のとおりです。
- NAT: IPマスカレード、ポートフォワーディング
- リモートアクセス VPN: L2TP/IPsec、PPTP(バージョン2・3では WireGuard サーバ機能も)
- サイト間VPN: 社内のヤマハ RTX や FortiGate などと IPsec で接続
- ファイアウォール・DHCP・スタティックルート、ログの syslog 転送
インターネットに公開しない社内システムをクラウドに置き、VPN 経由でだけ使えるようにする——という用途の要になるアプライアンスです。
プランは「スタンダード」「プレミアム」「ハイスペック(1,600Mbps/4,000Mbps)」の4種類です。
| 比較項目 | スタンダード | プレミアム | ハイスペック |
|---|---|---|---|
| 上流(インターネット側)の接続先 | 共有セグメント | ルータ+スイッチ | ルータ+スイッチ |
| 付属の IPv4 アドレス | 1個 | /28 ブロック | /28 ブロック |
| スタティックNAT・VRRP冗長化 | × | ○ | ○ |
| スループット(目安) | 80Mbps | 800Mbps | 1,600Mbps/4,000Mbps |
| サイト間VPN の対向サイト | 4地点 | 20地点 | 50地点 |
| リモートアクセスのユーザー数 | 100ユーザ | 200ユーザ | 200ユーザ |
| IPv6 | × | × | × |
冗長化や複数のグローバルIPが要らなければスタンダード、本番で止めたくないならプレミアム以上、というのが大まかな選び方です。
スケジュール:いつ何が起きる?
今回の一連の発表を時系列で並べると、次のようになります。

- 2026年10月8日: API でバージョン3を新規作成できるようになった
- 2026年10月15日: コントロールパネルでもバージョン3を新規作成できるようになった。同日、バージョン2の EOL 予定を告知
- 2026年11月16日(予定): バージョン2から3へのマイグレーション機能の提供開始
- 2027年2月15日(暫定): バージョン2の提供終了
移行機能の提供から終了予定日までは約3か月です。年末年始をはさむため、業務で使っているルータは早めに移行日を決めておくのが安全です。
バージョン2と3の違い:機能は「同等」
公式のお知らせでは、バージョン3ではバージョン2と同等の機能を使えるとされています。マニュアルでも、DNS フォワーディングサーバ機能、サイト間VPN の DH グループ設定、WireGuard サーバ機能は、バージョン2・3のどちらでも使えると書かれています。
一方で、バージョン3で何が新しくなったのか(内部の変更点や性能の違い)は、2026年10月15日時点の公式のお知らせ・マニュアルには書かれていません。ここは移行機能の案内を待つ必要があります。
注意したいのは次の2点です。
① 新規作成の初期選択はまだバージョン2
コントロールパネルの新規作成画面では、バージョン2とバージョン3を選べますが、初期選択はバージョン2です。これから作るなら、終了予定のバージョン2をうっかり選ばないようにしましょう。API で作る場合は、VPCRouterVersion に 3 を指定します。
② 自動では切り替わらない
利用中のルータが自動的にバージョン3へ更新されることはありません。移行は利用者側の操作が必要です。
料金:プランと月額
VPNルータの料金は次のとおりです(税込、2026年10月15日時点)。お知らせには、バージョン3で料金が変わるという記載はありません。
| プラン | 月額 | 日額 | 時間額 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 2,619円 | 132円 | 13円 |
| プレミアム | 5,238円 | 264円 | 26円 |
| ハイスペック(1,600Mbps) | 48,400円 | 2,420円 | 242円 |
| ハイスペック(4,000Mbps) | 220,000円 | 11,000円 | 1,100円 |
※ 料金は2026年10月15日時点(税込)。さくらのクラウドは、20日未満の利用は日割り、それ以降は月額で固定される課金ルールです。
VPNルータは単体では動きません。VPN 側(下流)に「スイッチ」、プレミアム以上は上流にも「ルータ+スイッチ」が必要です。
| 必要な部品 | 料金(税込) |
|---|---|
| スイッチ | 月額 2,200円 |
| ルータ+スイッチ(100Mbps の場合) | ルータ 月額 2,200円 + スイッチ 月額 2,200円 + 追加IPアドレス(/28 で 月額 3,520円) |
たとえばスタンダードプランなら、VPNルータ 2,619円とスイッチ 2,200円で月額 4,819円(税込)です。
スタンダードの帯域は 100Mbps(ベストエフォート)です。100Mbps でどの程度の用途をまかなえるかの目安は、VPS の回線速度と帯域を比較した記事でも整理しています。
今やっておくこと
移行機能が出るのは11月16日の予定ですが、それまでに準備できることがあります。
① 使っているルータのバージョンを確認する
VPNルータの詳細画面の「情報」タブでバージョンを確認できます。バージョン2・3は「2 – Release 8」「3 – Release 1」のように表示され、先頭の数字がメジャーバージョンです。
② これから作るルータはバージョン3にする
新規作成なら、最初からバージョン3を選べば移行作業は不要です。スクリプトなどで API から作っている場合は、VPCRouterVersion に3を指定するようにしておくと、今後作るルータがバージョン2にならずに済みます。
③ 設定をエクスポートしておく
VPNルータ画面右上の「設定ファイル」メニューから、設定を JSON 形式でエクスポートできます。移行前のバックアップとして保存しておくと安心です。
④ 移行の案内と停止時間を確認する
マニュアルによると、既存のマイグレーション機能はネットワーク設定や構成情報を保ったまま移行するもので、実行時の停止時間と停止回数は実行前の画面に表示されます。バージョン2→3の手順と注意事項は11月16日の提供開始時に案内される予定なので、停止時間を確認してから作業日を決めるとよいでしょう。
バージョン1を使っている場合
マニュアルでは、バージョン1・2からバージョン3へのマイグレーションには現時点で対応していないとされています(バージョン2→3は11月16日に提供予定)。バージョン1からバージョン2へは API で移行できます。バージョン1から3への道筋は、2026年10月15日時点の公式情報では示されていません。
利用者の声:VPNルータの WireGuard 機能を試した記録
バージョン3は提供が始まったばかりで、利用者の反応はまだ見当たりません。ここでは、バージョン2・3で使えるWireGuard サーバ機能を試した記録を紹介します。
さくらのクラウドのパートナー企業であるネットアシストの運用チームは、自宅の AlmaLinux サーバから VPNルータへ WireGuard で接続する手順を公開しており、設定項目が少なく容易に VPN を構築できると評価しています(ネットアシスト「さくらのクラウドで WireGuard を試してみた(後編)」)。
同じ記事では、WireGuard サーバ機能ではクラウドと接続元の間でネットワーク同士をつなぐ VPN は組めないため、自宅側のゲートウェイで NAPT を設定して LAN 内の別の端末からクラウドに届くようにした、と説明しています(同記事)。拠点同士をつなぎたい場合は、サイト間VPN(IPsec)を使うのが前提になりそうです。
IT Picks的な所感
今回の発表は、機能が同じまま世代だけを入れ替えるタイプのリリースです。新機能を期待する話ではなく、止めてはいけないネットワークの部品をどう安全に入れ替えるかが論点だと思います。
その意味で、移行機能の提供前に終了予定日を出し、自動更新はしないという進め方は、利用者が作業日を選べる点で妥当だと評価しています。一方で、バージョン3で何が変わったのかは現時点では示されていないため、移行機能の案内で停止時間や注意事項がどう書かれるかを待ちたいところです。
さくらインターネットは10月に入り、閉域接続にも対応した生成AI基盤も出しています。国内クラウドで社内システムや AI を閉じたネットワークで動かす流れの中で、VPNルータはその入口になる部品です。

クラウドまでは要らず、1台のサーバを月額固定で使いたい場合は、さくらのVPS のリージョンと料金の違いをまとめたこちらの記事も参考にしてください。

まとめ
さくらのクラウド「VPNルータ」バージョン3とバージョン2終了のポイントをまとめます。
- 発表日:2026年10月15日(さくらのクラウドのお知らせ)
- バージョン3の新規作成:API は10月8日から、コントロールパネルは10月15日から
- 機能:バージョン2と同等(新機能の説明はなし)
- 移行機能(v2→v3):2026年11月16日(月)提供予定
- バージョン2の提供終了:2027年2月15日(月)予定(暫定)
- 自動更新:なし(利用者が移行する)
- 料金:スタンダード 月額2,619円〜(税込)。v3 で料金が変わるという記載はなし
まずは情報タブで自分のルータのバージョンを確認し、設定をエクスポートしたうえで、11月16日の移行機能の案内を待ちましょう。
