VPSの回線速度は100Mbpsで足りる?主要4社の帯域を比較【2026年版】
「VPS の仕様表に『100Mbps共有』『10Gbps共有』と書いてあるけれど、結局どのくらいの速さなのか。動画やファイルを配信しても大丈夫なのか」——そんな疑問に答える記事です。
結論から言うと、ConoHa VPS・Xserver VPS・さくらのVPS は、いずれも標準ではインターネット側の上限が 100Mbps です。仕様表の「10Gbps」「50Gbps」は、多くの利用者で共有する回線全体の太さで、1台あたりの速さではありません。
今このタイミングで整理するのには理由があります。ConoHa VPS は 2026年10月1日に「ネットワーク帯域拡張」を値下げし、10月6日には 500Mbps・1Gbps を追加しました。主要3社のなかで、標準の VPS のまま 1Gbps まで広げられるのは現時点で ConoHa だけです。回線の太さで VPS を選ぶ——という視点で、各社の公式仕様を比べます。
この記事はこんな人向けです
- VPS の「100Mbps共有」「10Gbps共有」という表記の意味が分からない
- 動画やファイル配信、アクセス集中に備えて回線の太さで VPS を選びたい
- ConoHa VPS・Xserver VPS・さくらのVPS で帯域を広げられるか知りたい
VPSの回線速度(帯域)とは?一言でまとめると
VPS の「回線速度」は、多くの場合 帯域(1秒あたりに送受信できるデータ量の上限) のことです。単位は Mbps(メガビット毎秒) や Gbps(ギガビット毎秒) で、1Gbps は 1,000Mbps にあたります。
仕様表でよく見る言葉を整理します。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 100Mbps共有 | 物理的な回線を複数の利用者で共有し、1台あたり最大 100Mbps まで使える |
| 10Gbps共有・50Gbps共有 | データセンター側の回線全体の太さ。1台がこの速さを使えるわけではない |
| 〇Mbps上限 | その VPS が使える速さの上限 |
| ベストエフォート | 上限までの速さを目指すが、保証はしない |
| データ転送量 | 1か月などに送受信したデータの総量(速さではなく「量」) |
ポイントは、「速さ(帯域)」と「量(転送量)」は別物だということです。主要各社は転送量を「無制限」としていますが、速さには上限があります。
主要4社の回線スペックを比較
国内の主要な VPS 4社の回線仕様を、公式ページの表記どおりに並べます。
| 項目 | ConoHa VPS | Xserver VPS | さくらのVPS | WebARENA Indigo |
|---|---|---|---|---|
| 公式の回線表記 | 50Gbps共有(100Mbps制限あり) | 10Gbps共有(1契約あたり最大100Mbps) | 100Mbps共有回線 | プランごとに上限(上り下りそれぞれ) |
| 標準の上限 | 100Mbps | 100Mbps | 100Mbps | 2GB以下 100Mbps/4GB 500Mbps/8GB以上 1Gbps |
| 帯域を広げるオプション | あり(300Mbps・500Mbps・1Gbps) | 通常プランはなし(ビジネスプラン※新規受付停止中と、クラウド型の別サービスにあり) | 料金・仕様ページに記載なし | なし(プランで決まる) |
| データ転送量 | 課金なし・無制限 | 無制限 | 無制限 | 制限なし(1日あたりの目安あり) |
※ 2026年10月13日時点(各社の料金・仕様ページ)。

表から分かることは2つです。
- 標準の上限は、主要3社とも 100Mbps でそろっている
- 違いが出るのは「広げられるか」と「いくらで広げられるか」
性能・料金・管理画面などを含めた3社の総合的な比較は、こちらの記事で解説しています。

100Mbpsで足りる?用途別の目安
100Mbps は、理論上 1秒に 12.5MB を送れる速さです。ベストエフォートなので実際はこれを下回りますが、目安として計算してみます。
| 帯域 | 1GB のファイルを送る時間(理論値) | 1日中送り続けた場合の量(理論値) |
|---|---|---|
| 100Mbps | 約80秒 | 約1,080GB |
| 300Mbps | 約27秒 | 約3,240GB |
| 1Gbps | 約8秒 | 約10,800GB |
※ 1GB=8,000Mbit として計算した理論上の値。通信の効率や混雑は考慮していません。
この計算から、用途ごとの目安は次のように考えられます。
- ブログ・企業サイト・小規模な Web アプリ:ページを表示するたびの通信は、大きなファイルの転送に比べて小さく、100Mbps で困る場面は限られると考えられます
- 大きなファイルの配布・動画配信・バックアップの転送:1回の転送が数GB になると、100Mbps では時間がかかります。帯域を広げられるサービスか、上限の高いプランを選ぶ意味があります
- キャンペーンやメディア掲載でのアクセス集中:一時的に帯域が詰まる可能性があります。ConoHa はこの用途を想定して、必要な時間だけ帯域を広げられるようにしています
帯域が足りなくなったときの対策は、主に次の3つです。
- 帯域拡張オプションを使う(ConoHa VPS、XServer VPS クラウド)
- 上限の高いプラン・サービスに移る(WebARENA Indigo の 4GB 以上など)
- CDN を使い、画像や動画の配信をサーバーの外に逃がす
VPS をどの観点で選ぶかの全体像は、こちらで整理しています。

「転送量無制限」でも制限されることはある
「データ転送量は無制限」という表記は、転送量によって追加料金を取らないという意味です。どれだけ使っても速さが保たれる、という約束ではありません。
各社の公式情報では、次のように案内されています。
- ConoHa VPS:FAQ で、共有回線のため他の VPS 環境に影響が出るようなトラフィックは制限する場合があるとしています
- WebARENA Indigo:「安定運用の目安」として、1日あたりのデータ転送量をメモリ 1GB で 20GB 以下、2GB で 40GB 以下、4GB で 80GB 以下、8GB で 160GB 以下と示しています。制限値ではないとしつつ、目安を超えるアクセスがあれば利用を制限することがあると書いています
- さくらのVPS:2週間の無料お試し期間中は、サーバーからの発信が 10Mbps に制限されます
つまり、共有回線である以上、極端に大量の通信を続けると速度を絞られる可能性があるということです。大量配信が前提なら、契約前にサポートへ相談するのが確実です。
ConoHa VPS:帯域拡張が値下げ、1Gbpsまで選べるように
ConoHa VPS の標準の上限は 100Mbps ですが、有料オプションの「ネットワーク帯域拡張」で、サーバーを止めずに帯域を広げられます。

2026年10月に、このオプションが2回続けて変わりました。
- 10月1日:300Mbps の料金を約半額に値下げ
- 10月6日:500Mbps と 1Gbps を追加
改定後の料金は次のとおりです(税込)。
| 帯域 | 時間課金 | 月額上限 |
|---|---|---|
| 300Mbps(改定前) | 17円/時 | 9,900円 |
| 300Mbps(10月1日から) | 8.3円/時 | 4,950円 |
| 500Mbps(10月6日に追加) | 13.2円/時 | 7,920円 |
| 1Gbps(10月6日に追加) | 25.3円/時 | 15,180円 |
※ 料金は2026年10月13日時点(ConoHa VPS 料金ページ・お知らせ)。In/Out とも同じ帯域。
料金は時間課金で、月額上限を超えて請求されることはありません。たとえばセールの当日だけ 1Gbps に広げる場合、10時間なら 約253円(25.3円 × 10時間)の計算です。「普段は 100Mbps、アクセスが集中する時間だけ広げる」という使い方に向いています。
設定はコントロールパネルで行います。サポートサイトの手順を要約すると、次の流れです。
- 「VPS」→「サーバー」から対象の VPS を開く
- 「ネットワーク情報」の帯域の項目の鉛筆マークを選ぶ
- 変更後の帯域を選び、「はい」をクリック
注意点は2つあります。
- VPS ver.2.0 では使えません(VPS 3.0 のオプション)
- 申し込みの際、上限追加申請フォームでの手続きが必要と案内されています
なお、ConoHa VPS は2026年10月29日16時まで「Happy Halloweenキャンペーン」を開催しており、長期割引の「まとめトク」が割引価格になっています(ConoHa は 2GB プランで時間課金と比べて最大66%OFF と案内)。
ConoHa VPS の料金体系や特徴は、こちらで詳しく解説しています。


Xserver VPS:1契約100Mbps、広げたいならクラウド型
Xserver VPS の回線は、料金・仕様ページで「インターネット 10Gbps共有(1契約あたり最大100Mbps)」と案内されています。Xserver は過去に公式サイトの記載を訂正し、物理ネットワークは 10Gbps に直結しているが、安定稼働のため 100Mbps の制限があると説明しています。
標準の Xserver VPS の追加オプションは「イメージ保存容量追加」で、帯域を広げるオプションはありません。ビジネスプランは「オプションで拡張可能」とされていますが、新規受付を一時停止中です。Xserver VPS は 9月17日から新規受付を止め、10月6日17時に再開しましたが、ビジネスプランと無料VPSは対象外でした。
帯域を広げたい場合の選択肢は、2026年8月31日に提供が始まったクラウド型の「XServer VPS クラウド」です。こちらには帯域拡張のオプションがあります。

| 帯域 | 月額(税込) |
|---|---|
| 300Mbps | 5,500円 |
| 500Mbps | 8,800円 |
※ 2026年10月13日時点(XServer VPS クラウド「ネットワーク帯域拡張」)。標準は 1契約あたり最大100Mbps。
ConoHa と違い、月額制で最大 500Mbps です。常に広い帯域が必要なら月額制、短時間だけ必要なら ConoHa の時間課金——という使い分けになります。
Xserver VPS の料金・特徴は、こちらの記事でまとめています。


さくらのVPS:100Mbps共有、お試し中は10Mbps
さくらのVPS の回線は「インターネット:100Mbps共有回線」、ローカルネットワークは 1Gbps共有回線です。データ転送量は無制限です。料金・仕様ページには、インターネット側の帯域を広げる有料オプションの記載はありません。
注意したいのは、2週間の無料お試し期間中はサーバーからの発信が 10Mbps に制限される点です。お試し中に速度を測っても本来の速さは分かりません。また、最低利用期間は 3ヶ月 です。
もう一つ、2026年10月2日に「石狩リージョン 32GB Linux プラン」の在庫が切迫していると告知されています。さくらインターネットは、今後は石狩のその他のプランも切迫する可能性があり、改善まで 2週間〜1ヶ月 かかる可能性があるとしています。東京・大阪リージョンは申し込み可能です。
さくらのVPS の特徴は、こちらの記事で解説しています。


WebARENA Indigo:メモリが大きいほど上限が上がる
NTTPC コミュニケーションズの WebARENA Indigo は、プランごとに回線の上限が決まっているのが特徴です。上限は上り・下りそれぞれの値です。
| メモリ | 回線の上限 | 月額上限料金(税込) |
|---|---|---|
| 1GB・2GB | 100Mbps | 449円・814円 |
| 4GB | 500Mbps | 1,630円 |
| 8GB 以上 | 1Gbps | 3,410円(8GB) |
※ 2026年10月13日時点(WebARENA Indigo 仕様・料金ページ)。
オプションを付けなくても、4GB で 500Mbps、8GB で 1Gbps まで使えるのは大きな違いです。一方で、前述のとおり 1日あたりの転送量の目安(8GB で 160GB 以下など)が示されています。
公開されている計測・運用の記録
回線の速さは時間帯や計測先で変わるため、公開されている計測・運用の記録を参考として紹介します。計測時期が古いものもあるので、現在の速さを保証するものではありません。
- 各社の速度を並べて計測した例:Scrapbox の ci7lus さんは、Ookla の Speedtest CLI などで各社を計測し、ConoHa(月660円のプラン)で下り約128Mbps・上り約135Mbps、Indigo の 8GB(1Gbps上限)で下り約763Mbps・上り約649Mbps という結果を載せています(出典)
- 同じ計測先で3社を比べた例:ブログ「己で解決!泣かぬなら己で鳴こうホトトギス」の Ketsunosuke さんは、2019年3月の記事で、さくらのVPS(2GB)が下り約90Mbps、ConoHa(2GB)が下り約124Mbps だったと報告しています(出典)
- 大量転送で速度を絞られた例:Qiita の 203mmH さんは、2025年6月に ConoHa VPS(2GB)で写真・動画を扱った際、1日で約14GiB を転送したところ、他の利用者に影響しうるトラフィックとして帯域を制限されたと書いています。サポートからは一定時間で解除される見込みと説明を受けたそうです(出典)
いずれも個人の環境での記録です。共通して言えるのは、標準プランの速さはおおむね 100Mbps 前後で、「無制限」でも大量の通信を続けると制限されることがあるという点です。
よくある質問
Q. 仕様表の「10Gbps」「50Gbps」は、その速さが出るという意味ですか?
A. いいえ。データセンター側の共有回線全体の太さです。ConoHa VPS・Xserver VPS は、1台(1契約)あたりの上限を 100Mbps と明記しています。
Q. ブログを運営するだけなら、帯域は気にしなくていいですか?
A. 一般的なブログなら、100Mbps で困る場面は限られます。画像が多い場合は、画像の圧縮や CDN の利用の方が効果的なこともあります。レンタルサーバーとの比較はレンタルサーバーとVPSの違いを整理した記事をご覧ください。
Q. 短時間だけ帯域を広げたいときはどうすればいいですか?
A. ConoHa VPS のネットワーク帯域拡張が向いています。時間課金なので、たとえば 1Gbps を10時間使っても約253円です(月額上限 15,180円)。
Q. お試し期間中に速度を測っても参考になりますか?
A. さくらのVPS では、お試し期間中は発信が 10Mbps に制限されるため、本来の速さは測れません。
まとめ
VPS の回線速度(帯域)のポイントをまとめます。
- 主要3社の標準の上限:ConoHa VPS・Xserver VPS・さくらのVPS とも 100Mbps
- 「10Gbps共有」などの表記:共有回線全体の太さで、1台あたりの速さではない
- 100Mbps の目安:理論上 1GB を約80秒。ブログや小規模サイトなら困る場面は限られる
- ConoHa VPS:帯域拡張を 2026年10月1日に値下げ(300Mbps は月額上限 4,950円)、10月6日に 500Mbps・1Gbps を追加
- Xserver VPS:標準は帯域拡張なし。XServer VPS クラウドで 300Mbps(月5,500円)・500Mbps(月8,800円)
- さくらのVPS:100Mbps共有。お試し期間中は発信 10Mbps
- WebARENA Indigo:4GB で 500Mbps、8GB 以上で 1Gbps
- 転送量無制限でも:他の利用者に影響する大量通信は制限されることがある
まずは自分の用途で「1回にどれだけのデータを送るか」を見積もり、100Mbps で足りなければ、帯域を広げられるサービスを選ぶのがおすすめです。
