Route 53でドメインを取得するには?料金・手順と注意点【2026年版】
「AWS でサイトを公開したい。ドメインも Route 53 で取ってしまってよいのか。年間いくらかかるのか」——そんな疑問に答える記事です。
結論から言うと、AWS でサイトやアプリを動かすなら、Route 53 でドメインを取ると DNS の設定まで1か所で済みます。費用は .com なら年16ドル+ホストゾーンの月0.50ドル(税別)が基本です。一方で、料金を日本円で確定させたい・co.jp を取りたい場合は国内のドメインサービスが向いています。また、AWS のクレジットはドメインの料金に使えない点にも注意が必要です。
今このタイミングで整理するのには理由があります。AWS は2026年10月13日に、Route 53 でプレミアムドメインの登録・移管・更新ができるようになったと発表しました。また、2026年7月1日から .com などの料金も改定されており、ネット上の古い解説と金額が違うことがあります。公式の料金表とドキュメントの最新の記載をもとに、費用・手順・注意点をまとめます。
この記事はこんな人向けです
- AWS でサイトやアプリを公開するために、独自ドメインを取りたい
- Route 53 でドメインを取ると、年間・毎月いくらかかるのか知りたい
- Route 53 と国内のドメインサービスのどちらで取るか迷っている
Route 53のドメイン登録とは?一言でまとめると
Amazon Route 53 は、AWS の DNS サービス(ドメイン名とサーバーの住所を結びつける仕組み)です。あわせて、ドメインを登録する「レジストラ」の機能も持っています。
| 機能 | できること |
|---|---|
| ドメイン登録 | .com・.jp などのドメインを取得・更新・移管する |
| DNS(ホストゾーン) | ドメインへのアクセスを EC2・CloudFront・S3 などに振り分ける |
| ヘルスチェック | サーバーの死活監視と、障害時の切り替え |
Route 53 でドメインを登録すると、そのドメイン用の「ホストゾーン」が自動で作られます。ホストゾーンは、ドメインへのアクセスをどこに送るかの設定(DNS レコード)を置く場所です。
つまり、取得から DNS の設定までを AWS のコンソールだけで完結できるのが、Route 53 でドメインを取る一番の利点です。
Route 53でドメインを取る費用:年額+ホストゾーンの月額
Route 53 のドメインの費用は、①ドメインの年額、②ホストゾーンの月額、③DNS クエリの従量料金の3つでできています。
① ドメインの年額(TLDごと)
ドメインの料金は、末尾の「.com」「.jp」などの TLD(トップレベルドメイン)ごとに決まっています。よく使われる TLD の1年あたりの料金は次のとおりです。
| TLD | 登録・更新(1年) | 移管 | 2026年7月の改定 |
|---|---|---|---|
| .com | 16ドル | 16ドル | 15ドル→16ドル |
| .net | 17ドル | 17ドル | 対象外 |
| .org | 16ドル | 16ドル | 15ドル→16ドル |
| .xyz | 19ドル | 19ドル | 18ドル→19ドル |
| .dev | 17ドル | 17ドル | 対象外 |
| .app | 20ドル | 20ドル | 対象外 |
| .io | 71ドル | 71ドル | 対象外 |
| .jp | 54ドル | 0ドル(期間の延長なし) | 対象外 |
※ 料金は2026年10月19日時点の Route 53 のドメイン登録料金表(PDF)による。手数料・税は含まない(税別)。プレミアムドメインは別料金
料金は米ドル建てです。たとえば1ドル=150円で計算すると、.com の年16ドルは約2,400円、.jp の54ドルは約8,100円になります(為替で変わります)。
② ホストゾーンの月額
ドメインを登録すると自動で作られるホストゾーンには、1つあたり月0.50ドル(最初の25個まで)がかかります。1か月に満たない分の日割りはありません。
ドメインをすぐに使わない場合は、ホストゾーンを削除できます。登録から12時間以内に削除すれば、ホストゾーンの料金は請求されません。
③ DNSクエリの従量料金
ドメインへのアクセスのたびに発生する DNS の問い合わせ(クエリ)は、100万件あたり0.40ドル(標準クエリ、月10億件まで)です。
ただし、CloudFront・S3 のウェブサイトエンドポイント・ロードバランサー・API Gateway・Lightsail などに向けた「エイリアスレコード」のクエリは無料です。AWS のサービスで公開するなら、クエリ料金はほとんどかからない構成にできます。
.comを1年使う場合の目安
.com を1つ取り、ホストゾーンを1つ使う場合の目安は、ドメイン16ドル+ホストゾーン6ドル(0.50ドル×12か月)=年22ドル前後(税別)です。これにクエリ料金が加わります。

2026年の変更点:料金改定とプレミアムドメイン対応
2026年は、Route 53 のドメインに2つの大きな変更がありました。
① 2026年7月1日:.comなどの料金を改定
Route 53 のドメイン登録料金表によると、2026年7月1日から、一部の TLD の登録・更新・移管の料金が改定されました。.com と .org は15ドルから16ドル、.xyz は18ドルから19ドルになっています。
改定の対象は TLD ごとに異なり、.net・.dev・.jp などは対象外です。「.com は15ドル」と書かれた解説は改定前の金額なので注意してください。
② 2026年10月13日:プレミアムドメインに対応
AWS は2026年10月13日、Route 53 でプレミアムドメインの登録・移管・更新・復元ができるようになったと発表しました。
プレミアムドメインは、短い・覚えやすい・需要が高いなどの理由で、レジストリ(TLD の管理団体)が特別な価格を付けたドメインです。これまで Route 53 では扱えず、使いたい場合は他の登録事業者で管理する必要がありました。
今後は、Route 53 でドメインを検索するとプレミアムドメインも表示され、その場で料金が分かります。他社で管理しているプレミアムドメインを Route 53 に集めることもできます。

プレミアムドメインには、通常のドメインと違う点があります。
- 価格はドメインごとに異なる:料金表には載っておらず、コンソールの検索で確認する
- 複数年の登録はできない:英語版の最新ドキュメントで案内されている
- 更新などの料金も変わることがある:レジストリが価格を決めるため
なお、2026年10月19日時点では、日本語版のドキュメントに「プレミアム料金のドメインは登録できない」という古い記載が残っています。最新の扱いは英語版のドキュメントと発表を確認してください。
Route 53でドメインを取得する手順
Route 53 でドメインを登録する流れは、公式ドキュメントでは次のように案内されています。
① Route 53のコンソールを開く
AWS マネジメントコンソールにサインインし、Route 53 のコンソールを開きます。ナビゲーションペインで[ドメイン]→[登録済みドメイン]→[ドメインを登録]を選びます。
② ドメイン名を検索する
[ドメインの検索]に取りたい名前を入力し、[検索]を選びます。使えない場合は、似た候補が表示されます。一度に最大5つまで選べます。
③ 登録年数と自動更新を選ぶ
[チェックアウトに進む]を選び、登録する年数と、自動更新するかどうかを選びます。
④ 連絡先を入力する
登録者・管理者・技術担当者・請求の連絡先を入力します。登録者の名前は、公的な身分証明書と同じ名前にするよう推奨されています。ドメインの設定変更の際に、身分証明書の提出を求めるレジストリがあるためです。
⑤ プライバシー保護を選ぶ
WHOIS(ドメインの登録者情報を調べる仕組み)で連絡先を隠すかどうかを選びます。プライバシー保護はデフォルトで有効です。
⑥ 確認して送信し、メールを確認する
内容と利用規約を確認して[Submit]を選びます。初めて使うメールアドレスの場合、確認メールが届くことがあります。メール内のリンクで確認しないと、ICANN(ドメインの国際的な管理団体)の要件によりドメインが停止されます。
登録が終わったら、自動で作られたホストゾーンに DNS レコードを作り、ドメインへのアクセスを EC2 や CloudFront などに向けます。
.jpドメインは取れる?日本向けの注意点
Route 53 では .jp ドメインも取れます。ただし、.com とは条件がかなり違います。
| 項目 | .jp | .com |
|---|---|---|
| 年額 | 54ドル | 16ドル |
| 登録できる人 | 日本の個人・企業のみ | 制限なし |
| 登録年数 | 1年単位 | 1〜10年 |
| プライバシー保護 | 非対応 | 対応 |
| ドメインロック | 非対応 | 対応 |
| 日本語ドメイン | 対応 | 対応 |
| 更新の期限 | 有効期限の16日前まで | 有効期限まで(期限後44日まで遅れて更新可) |
※ Route 53 の公式ドキュメントと料金表(2026年10月19日確認)による
とくに注意したいのは次の3点です。
- co.jp・or.jp などは取れない:会社の「co.jp」などの属性型 JP ドメインは、現在 Route 53 では登録できません
- WHOIS で連絡先を隠せない:.jp はプライバシー保護に対応していません
- 更新が早めに締め切られる:有効期限の16日前を過ぎると更新できず、期限の6日前に Route 53 から削除されます
会社のサイトで co.jp を使いたい場合や、個人で .jp を取って連絡先を公開したくない場合は、国内のドメインサービスを検討した方がよいでしょう。
取得前に確認したい5つの注意点
Route 53 でドメインを取る前に、公式ドキュメントで案内されている注意点を確認しておきましょう。
① AWSのクレジットは使えない
AWS のクレジット(プロモーションクレジット)は、Route 53 のドメイン登録の料金に使えません。無料プランのクレジットが残っていても、ドメインの料金は別に請求されます。クラウドの無料枠の仕組みは、こちらで比較しています。

② 登録・更新は返金されない
ドメインの登録と更新は返金の対象外です。自動更新を有効にしたまま、更新後に不要になっても返金は受けられません。使わなくなるドメインは、有効期限の前に自動更新をオフにしておきましょう。
③ ルートユーザーのメールに同じアカウントのドメインを使わない
AWS アカウントのルートユーザーのメールアドレスに、同じアカウントで登録したドメインを使うのは避けるよう案内されています。アカウントが閉鎖・停止されると、5日以内にドメインが停止され、メールが届かなくなってパスワードの復旧もできなくなるためです。30日後にはドメインが完全に削除されます。
④ 1アカウントで登録できるのは20個まで
1つの AWS アカウントで登録できるドメインは、デフォルトで20個までです。それ以上必要な場合は、AWS に引き上げを依頼します。ボリュームディスカウントはありません。
⑤ 有効期限が切れると復元に追加料金
.com の場合、有効期限から44日後までは遅れて更新できます。それを過ぎると Route 53 から削除され、期限後45〜75日の間はレジストリでの復元になります。復元の料金は .com で57ドルと、通常の更新より高くなります。
他社のドメインをRoute 53に移管するには
すでに国内のサービスなどで取ったドメインを、Route 53 に移すこともできます(移管)。主な流れと注意点は次のとおりです。
- DNS を先に Route 53 へ移す(任意):移管元の無料 DNS は、移管の申請を受けた時点で止まることがあるため
- 移管元でドメインロックを解除し、認証コードを取得する
- Route 53 のコンソールで移管を申請し、確認メールのリンクを選ぶ
登録や登録者の変更から60日以内のドメインは、ICANN のルールで移管できません。また、多くの TLD では、移管すると登録期間が1年延長されます(.com の移管料金16ドルには1年分の更新が含まれます)。一部の地域 TLD は延長されないため、移管前の更新が推奨されています。
Route 53と国内のドメインサービス、どちらで取る?
ドメインは、Route 53 でも国内のドメインサービスでも取れます。例として、国内の XServerドメインと比べると次のようになります。
| 項目 | Route 53 | XServerドメイン |
|---|---|---|
| .com の料金 | 年16ドル(税別) | 取得・更新とも1,721円(税込) |
| .jp の料金 | 年54ドル(税別) | 取得1,980円・更新3,102円(税込) |
| 料金の表示 | 米ドル建て | 日本円 |
| co.jp など | 登録できない | 扱っている |
| AWS との連携 | ホストゾーン自動作成(月0.50ドル) | Route 53 の DNS を使うならネームサーバーの変更が必要 |
| 新規向けの割引 | なし | 初めての人は対象ドメイン1つを0円で取得(2026年10月30日17時まで) |
※ 2026年10月19日時点の各社公式ページによる。XServerドメインの0円取得は、過去に契約履歴がある場合などは対象外

選び方の目安は次のとおりです。
- Route 53 が向いている:AWS で公開する/DNS の設定まで AWS にまとめたい/複数のドメインを AWS のアカウントで管理したい
- 国内のドメインサービスが向いている:料金を日本円で確定させたい/co.jp を取りたい/AWS 以外のサーバー(VPS・レンタルサーバー)で使う/新規向けの割引を使いたい
国内で取ったドメインでも、DNS だけ Route 53 で管理することはできます。ネームサーバーを Route 53 のホストゾーンのものに変えれば、AWS のサービスへのエイリアスも使えます。
日本円の料金で .com を取りたい場合や、co.jp を取りたい場合は、国内のドメインサービスも比べてみてください。

取得したドメインでサイトを公開するには
Route 53 で取ったドメインは、ホストゾーンにレコードを作って公開先に向けます。代表的な組み合わせは次のとおりです。
| 公開先 | 設定するレコード | クエリ料金 |
|---|---|---|
| CloudFront(静的サイト・アプリの配信) | エイリアス(A/AAAA) | 無料 |
| S3 のウェブサイトエンドポイント | エイリアス(A/AAAA) | 無料 |
| Lightsail・ロードバランサー | エイリアス(A/AAAA) | 無料 |
| EC2・他社の VPS | A レコード(IP アドレス) | 100万件あたり0.40ドル |
2026年10月12日には、CloudFront が Lambda Web Function をオリジン(配信元)として使えるようになりました。CloudFront のマネージド TLS 証明書を使えば、Lambda Web Function で作ったアプリを独自ドメインで公開できます。Lambda Web Functions の詳細はこちらで解説しています。

月額料金を固定してサーバーを持ちたい場合は、VPS やレンタルサーバーに Route 53 のドメインを向ける方法もあります。両者の違いはこちらで整理しています。

よくある質問
Q. 他社で取ったドメインのDNSだけRoute 53で使える?
A. 使えます。Route 53 で登録できない TLD のドメインでも、DNS サービスとしては Route 53 を使えると公式ドキュメントに書かれています。ホストゾーンを作り、ドメインを取ったサービスでネームサーバーを Route 53 のものに変更します。
Q. すぐに使わないドメインにもホストゾーン代がかかる?
A. かかります。ホストゾーンは登録時に自動で作られ、月0.50ドルが請求されます。すぐに使わないなら削除でき、登録から12時間以内に削除すれば料金はかかりません。あとで新しいホストゾーンを作った場合は、ドメインのネームサーバーを新しいホストゾーンのものに更新する必要があります。
Q. AWSの費用が想定より増えないか心配
A. Route 53 のドメインの年額はクレジットで払えないため、AWS の請求に直接加わります。毎月の請求を確認しておくと安心です。なお、Google Cloud は2026年10月に、使いすぎたら自動で止める利用額上限予算を一般提供しています。
まとめ
Route 53 でドメインを取得する際のポイントをまとめます。
- 費用:.com は年16ドル+ホストゾーン月0.50ドル(税別・米ドル建て)
- 料金改定:2026年7月1日から .com・.org は15ドル→16ドル
- 新機能:2026年10月13日からプレミアムドメインに対応(複数年登録は不可)
- .jp:年54ドル、日本の個人・企業のみ、プライバシー保護なし、co.jp は不可
- 注意点:AWS クレジットは使えない、登録・更新は返金なし、上限はデフォルト20個
- 向いている人:AWS で公開し、DNS までまとめて管理したい人
AWS で公開するなら Route 53、料金を日本円で確定させたい・co.jp を取りたいなら国内のドメインサービスと、使い道に合わせて取得先を選んでください。
