PostgreSQL 14のサポート終了はいつ?確認と移行手順【2026年版】
「VPS で動かしているアプリのデータベース、そういえば PostgreSQL 14 のままかもしれない」——そんな方は、2026年11月12日を予定に入れておきましょう。
PostgreSQL 公式のバージョン方針では、PostgreSQL 14 の最終リリース(Final Release)は2026年11月12日です。これ以降、14 にはバグ修正もセキュリティ修正も出なくなります。一方、2026年10月15日には次のメジャー版 PostgreSQL 19 の RC 1(リリース候補)が公開され、正式版は11月19日の予定です。
この記事では、PostgreSQL 公式ドキュメントと Ubuntu・AWS の公式情報をもとに、対象かどうかの確認方法、移行先の選び方、Ubuntu 22.04 での具体的な移行手順、注意点を整理します。「OS はまだサポート中なのに、データベースだけ先に期限が来る」——そんな状況への備えという位置づけです。
この記事はこんな人向けです
- VPS や自宅サーバーで PostgreSQL を動かしている
- Ubuntu 22.04 の標準パッケージで PostgreSQL を入れた
- PostgreSQL 14 から、いつ・何に・どうやって上げればよいか知りたい
PostgreSQL 14のサポート終了とは?一言でまとめると
PostgreSQL 14 のサポート終了(EOL)とは、開発元の PostgreSQL Global Development Group が 14 向けの修正版を出さなくなることです。
公式のバージョン方針では、メジャーバージョンは初リリースから5年間サポートされ、その後に最後のマイナーバージョンが出て終了します。14 は2021年9月30日に初めてリリースされたため、2026年11月で5年を迎えます。
| 項目 | PostgreSQL 14 |
|---|---|
| 初リリース | 2021年9月30日 |
| 最新のマイナー(10月22日時点) | 14.24(2026年8月13日公開) |
| 最終リリース(Final Release) | 2026年11月12日 |
| 以後 | バグ修正・セキュリティ修正なし |
EOL を過ぎてもデータベースがすぐ止まるわけではありません。ただし、新しい脆弱性が見つかっても修正版が出ない状態になります。外部からアクセスできるサーバーや、個人情報を扱うアプリでは、使い続けるリスクが年々大きくなります。

いつまで使える?押さえたい日付
関係する日付を時系列で並べると、次のとおりです。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年10月15日 | PostgreSQL 19 RC 1 公開 |
| 2026年11月12日 | PostgreSQL 14 の最終リリース(定例のマイナーリリース日)。同日に 19 RC 2 |
| 2026年11月19日(予定) | PostgreSQL 19 の正式版 |
| 2027年2月28日 | Amazon RDS for PostgreSQL 14 の標準サポート終了 |
| 2027年3月1日 | RDS の延長サポート(有料)の開始 |
| 2027年5月 | Ubuntu 22.04 LTS の標準セキュリティメンテナンス終了 |
ポイントは、Ubuntu 22.04 は2027年5月まで標準サポートが続くのに、標準パッケージの PostgreSQL 14 は上流のサポートが11月に終わることです。OS が現役だからといって、データベースも安心とは限りません。
なお、Ubuntu の公式パッケージがアップストリームの終了後にどこまで修正を出すかは、今回調べた範囲の公式情報では確認できませんでした。OS のパッケージで入れている場合も、上流と同じ11月12日を目安に移行を計画するのが安全です。

自分のサーバーは対象?バージョンの確認方法
まずは、動いている PostgreSQL のバージョンを確認しましょう。
① psql でサーバーのバージョンを見る
データベースに接続できるなら、次の SQL が確実です。
SHOW server_version;
psql --version はクライアント(psql コマンド)のバージョンを表示します。サーバー本体と違うことがあるため、SQL での確認がおすすめです。
② Ubuntu・Debian ならクラスタの一覧を見る
Ubuntu・Debian の PostgreSQL パッケージには、クラスタ(データベースの実体)を管理する postgresql-common のコマンドが入っています。
pg_lsclusters
すべてのクラスタの状態(online / down)と設定が一覧で表示されます。14 main が online なら、今回の対象です。
③ Docker で動かしているならイメージのタグを見る
Docker Compose で動かしているアプリは、docker-compose.yaml の image: postgres:◯◯ を見ます。たとえば、Dify の公式の docker-compose.yaml(main ブランチ)は postgres:15-alpine です(2026年10月22日時点)。15 のサポートは2027年11月11日までなので、今回の対象ではありません。
OS の標準パッケージのバージョン
OS の標準リポジトリから apt install postgresql で入れた場合、バージョンは OS で決まります。PostgreSQL 公式の Ubuntu 向けページも、Ubuntu は各リリースで特定のバージョンを採用し、そのリリースの期間中サポートすると説明しています。
| OS | 標準の PostgreSQL | 今回の対象か |
|---|---|---|
| Ubuntu 22.04 LTS | 14 | 対象 |
| Ubuntu 24.04 LTS | 16 | 対象外 |
| Ubuntu 26.04 LTS | 18 | 対象外 |
| Debian 11(bullseye) | 13 | すでにサポート終了(2025年11月13日) |
| Debian 12(bookworm) | 15 | 対象外(2027年11月まで) |
| Debian 13(trixie) | 17 | 対象外 |
※ Launchpad・packages.debian.org の掲載内容(2026年10月22日時点)
Ubuntu 22.04 で VPS を作り、そのまま PostgreSQL を入れた——という構成は、今回いちばん影響を受けるパターンです。
Dify のように Docker でアプリを動かす構成は、次の記事でも紹介しています。

どのバージョンに上げる?18と19の選び方
移行先は、今すぐ移すなら PostgreSQL 18、急がないなら19 の正式版を待つ、の2択が現実的です。
| バージョン | 状態(2026年10月22日時点) | サポート終了 |
|---|---|---|
| 15 | サポート中 | 2027年11月11日 |
| 16 | サポート中 | 2028年11月9日 |
| 17 | サポート中 | 2029年11月8日 |
| 18 | サポート中(最新の正式版、18.6) | 2030年11月14日 |
| 19 | RC 1(正式版は11月19日予定) | 正式版の公開後に確定 |
15 や 16 へ上げることもできますが、サポート期間が短く、数年後にもう一度移行が必要になります。メジャーをまたいでも一度に上げられる(公式ドキュメント)ので、間を飛ばして 18 へ上げるのが手間の少ない選び方です。
19 は11月19日に正式版が出る予定ですが、RC はあくまで検証用です。使っている拡張機能やアプリ・ライブラリが 19 に対応しているかを確認してからの方が安心でしょう。11月12日の期限に間に合わせたいなら、18 を選ぶのが無難です。
アップグレードの3つの方法を比較
メジャーバージョンをまたぐと、データの保存形式が変わります。そのため、パッケージを入れ替えるだけでは上げられません。公式ドキュメントが示す方法は3つです。
| 方法 | 仕組み | 停止時間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ① ダンプ/リストア(pg_dumpall) | 中身を SQL で書き出し、新しいバージョンに読み込む | 長い(データ量に比例) | データが小さい・確実さ重視 |
| ② pg_upgrade | データファイルを新しい形式に移す | 短い(link モードなら数分のことも) | データが大きい・停止を短くしたい |
| ③ 論理レプリケーション | 新バージョンを複製先にして追いつかせ、切り替える | 数秒 | 止められないサービス |
個人や小規模の VPS なら、データが小さく停止できる時間があれば①、データが大きく停止時間を短くしたいなら②、と考えると選びやすいでしょう。③は設定の手間が大きく、止められないサービス向けです。
公式ドキュメントは、どの方法でも次の3点を勧めています。
- 新しい方のバージョンの pg_dump/pg_dumpall を使う
- 古い環境は消さずに残しておく(元に戻せるように)
- 切り替える前に、アプリを新しいバージョンで試す

Ubuntu 22.04で14から18へ上げる手順
Ubuntu・Debian では、postgresql-common の pg_upgradecluster を使うと、設定ファイルの引き継ぎやポートの付け替えまでまとめて行えます。ここでは、標準パッケージの 14(クラスタ名 main)を 18 へ上げる流れを紹介します。
① PostgreSQL 公式の Apt リポジトリを追加して 18 を入れる
Ubuntu 22.04 の標準リポジトリには 18 がないため、PostgreSQL 公式の Apt リポジトリ(22.04 にも対応)を追加します。
sudo apt install -y postgresql-common
sudo /usr/share/postgresql-common/pgdg/apt.postgresql.org.sh
sudo apt update
sudo apt install postgresql-18
拡張機能(PostGIS など)を使っている場合は、18 用のパッケージも入れておきます。
② バックアップを取る
作業の前に、18 の pg_dumpall で全体をバックアップします(新しい方のツールを使うのが公式の推奨)。
sudo -u postgres /usr/lib/postgresql/18/bin/pg_dumpall -p 5432 > ~/backup-pg14.sql
③ 自動で作られた空の 18 クラスタを消す
pg_lsclusters で確認し、パッケージのインストールで 18 main という空のクラスタが作られていれば削除します。Canonical の Landscape のリリースノートでも、新しいバージョンを入れた後に「新しく作られたクラスタを pg_dropcluster で消してから pg_upgradecluster を実行する」手順が示されています。
pg_lsclusters
sudo pg_dropcluster 18 main --stop
消すのは中身が空の 18 のクラスタだけです。14 main を消さないよう、バージョンを必ず確認してください。
④ pg_upgradecluster で 14 を 18 へ移す
sudo pg_upgradecluster -v 18 14 main
既定の方法は pg_dump による移行で、「遅いが安全」とされています。データが大きい場合は -m upgrade(pg_upgrade を使う)を指定すると速くなります。
移行が終わると、新しい 18 のクラスタが元のポート(通常 5432)を使い、古い 14 は空いているポートに移ります。アプリの接続先を変える必要は基本的にありません。
⑤ 動作を確認してから古いクラスタを消す
アプリが正しく動くことを確認できたら、古い 14 のクラスタを削除します。14 は自動では消えず、起動も手動(manual)に切り替わるので、確認が済むまで残しておけます。
sudo pg_dropcluster 14 main
データベースのサーバーを外部に公開している場合は、ポートや接続元の制限も、この機会に見直しておきましょう。VPS の基本的なセキュリティ設定は次の記事で整理しています。

アップグレード前後の注意点
① 拡張機能は新しいバージョン用を入れる
pg_upgrade を使う場合、拡張機能の共有ライブラリを新しいバージョン用に入れておく必要があります。一方、CREATE EXTENSION は実行しません(旧クラスタから定義が引き継がれるため)。公式ドキュメントに明記されている注意点です。
② データチェックサムの設定をそろえる
PostgreSQL 18 から、initdb は既定でデータチェックサムを有効にします。pg_upgrade は新旧のチェックサム設定が一致していないと使えません。古いクラスタでチェックサムを使っていない場合は、新しいクラスタを initdb --no-data-checksums で作ります。旧クラスタの設定は SHOW data_checksums; で確認できます。
③ 統計情報を作り直す
PostgreSQL 18 の pg_upgrade は統計情報の大半を引き継ぎます。ただし、CREATE STATISTICS で作った拡張統計などは引き継がれません。公式ドキュメントは、移行後に次の実行を勧めています。
vacuumdb --all --analyze-in-stages --missing-stats-only
vacuumdb --all --analyze-only
④ public スキーマの権限(15 からの変更)
PostgreSQL 15 で、public スキーマに誰でもテーブルを作れる権限(PUBLIC の CREATE)が既定で外れました。ただし、変わるのは新しく作るデータベースだけで、pg_upgrade やダンプのリストアでは既存の権限がそのまま残ります。移行後に新しくデータベースを作るアプリでは、権限エラーが出ないか確認しましょう。
⑤ 間のバージョンのリリースノートも読む
14 から 18 へ飛ばす場合、公式ドキュメントは15・16・17・18 すべてのリリースノートの「Migration」の節を読むよう勧めています。アプリが使っている機能に変更がないか、事前に確認しておきます。
また、OS を同時にアップグレードすると文字列の並び順(照合順序)が変わり、インデックスの再構築が必要になることがあります(pg_upgradecluster のマニュアル)。OS とデータベースの移行は分けて行うと、問題の切り分けがしやすくなります。
Amazon RDSなどマネージドDBの場合
Amazon RDS for PostgreSQL は、少なくともコミュニティの EOL までは標準サポートを続けます。14 は、コミュニティの EOL より約3か月半長く、次の日付になっています。
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| コミュニティの EOL | 2026年11月12日 |
| RDS の標準サポート終了 | 2027年2月28日 |
| 延長サポート(有料)1年目料金の開始 | 2027年3月1日 |
| 延長サポート3年目料金の開始 | 2029年3月1日 |
| 延長サポートの終了 | 2030年2月28日 |
※ AWS「Release calendars for Amazon RDS for PostgreSQL」(2026年10月22日確認)
2027年2月28日を過ぎると、そのまま使い続けるだけで延長サポートの料金がかかります。RDS でも、早めにメジャーアップグレードを計画しておきましょう。
VPS とマネージドサービスのどちらで運用するか迷っている場合は、VPS の選び方の記事も参考にしてください。

よくある質問
Q. 11月12日を過ぎたら PostgreSQL 14 は動かなくなる?
A. 動かなくなるわけではありません。修正版が出なくなるだけです。ただし、その後に見つかった脆弱性は放置されるため、外部に公開しているサーバーでは早めの移行をおすすめします。
Q. 14.24 のままでよい?11月の最終版は入れるべき?
A. 入れるべきです。公式は常に最新のマイナーを使うことを勧めています。マイナーアップグレードはバイナリの入れ替えと再起動だけで済み、データの移行は不要です。移行するまでの間も、最終版に上げておきましょう。
Q. 14 から 18 へ、間を飛ばして上げられる?
A. 上げられます。公式ドキュメントは、途中のバージョンを経由せずに上げられると説明しています。pg_upgrade は 9.2 以降からのアップグレードに対応しています。
Q. 19 の正式版を待ってもよい?
A. 19 の正式版は11月19日の予定で、14 の最終リリース(11月12日)より後です。期限をまたいでもよいなら待つ選択肢もありますが、拡張機能の対応を確認する時間も考えると、今のうちに 18 へ上げる方が計画を立てやすいでしょう。
まとめ
PostgreSQL 14 のサポート終了のポイントをまとめます。
- 最終リリース:2026年11月12日(以後は修正なし)
- 対象になりやすい環境:Ubuntu 22.04 LTS の標準パッケージ(14)
- 確認方法:
SHOW server_version;、Ubuntu・Debian はpg_lsclusters - 移行先:今すぐなら 18(サポートは2030年11月14日まで)。19 は11月19日に正式版の予定
- Ubuntu での手順:公式 Apt リポジトリで 18 を入れる → バックアップ → 空の 18 クラスタを削除 →
pg_upgradecluster -v 18 14 main - 注意点:拡張機能・データチェックサム・統計情報・public スキーマの権限
- RDS:標準サポートは2027年2月28日まで。以後は延長サポートの料金がかかる
まずは今日、自分のサーバーで SHOW server_version; を実行し、14 が動いていないかを確認するところから始めてみてください。
