Notion 3.8とは?ChatGPTプラン連携と列の権限【2026年10月】
「Notion に AI を入れたいけれど、ChatGPT にも別に課金していて二重払いになっている」「データベースの給与や原価の列だけを、一部の人やエージェントから隠したい」——そんな悩みに応える更新が出ました。
2026年10月13日、Notion は 「Notion 3.8: Context for your agents」 を公開しました。テーマは、AI エージェントが仕事に使う 「コンテキスト(前提となる情報)」を Notion に集めることです。

目玉は、ChatGPT の有料プランを Notion のAI利用に充てられる機能と、長く要望されてきた データベースの「列の権限」です。ほかにも MCP 連携の強化や Skills API など、エージェント向けの変更がまとまって入りました。Notion を「どの AI からも読み書きできる社内の情報基盤」に寄せていくアップデートという位置づけです。
この記事はこんな人向けです
- Notion を仕事で使っていて、3.8 で何が変わったかを短く知りたい
- ChatGPT の契約を Notion でも使えるのか、条件と手順を確認したい
- データベースの一部の列だけを隠したい・エージェントに見せたくないワークスペース管理者
Notion 3.8とは?一言でまとめると
エージェントや AI モデルを乗り換えても、仕事の前提を Notion に置いたまま使い続けられるようにする更新です。リリースノートは「エージェントを替えるたびに、すべてを説明し直す必要はない」と説明しています。
主な変更点は次のとおりです。
| 変更点 | 何が変わる | 対象プラン(ヘルプ) |
|---|---|---|
| ChatGPT プランの利用 | ChatGPT の契約で Notion エージェントの AI 利用をまかなえる | ビジネス / エンタープライズ |
| 列の権限 | データベースの列ごとに閲覧・編集できる人を決められる | ビジネス / エンタープライズ |
| 外部エージェントとの MCP | Claude・ChatGPT などから Notion を読み書き。管理者向けの管理機能を強化 | 管理機能はエンタープライズ |
| エージェントから外部ツールへ | Notion エージェントが 150 以上のツールに MCP で接続 | ビジネス / エンタープライズ |
| Skills API | Notion に書いたスキルを他のエージェントでも使える | 記載なし |
| バージョン履歴 | 変更のハイライトと「誰が変えたか」を確認しやすく | 保存期間はプランで異なる |
| 同期データベース | GitHub・Jira・Salesforce の同期を作り直し | ビジネス以上(Salesforce はエンタープライズ) |

このほか、新しい AI モデル7種(GPT 6.1-Sol、GPT-6 Luna、Opus 5.5、Sonnet 5.5 など)の追加、コネクト設定画面の刷新、Microsoft Teams への Notion の通知も含まれています。
背景:なぜ今「コンテキスト」なのか
AI エージェントは、会社のルールや過去の経緯を知らないと的外れな仕事をします。一方で、使う AI は Claude・ChatGPT・Gemini と増え続け、乗り換えのたびに前提を教え直す手間が生まれていました。
3.8 は、この「前提」を Notion に置き、どのエージェントからでも同じ情報を参照できるようにする方向を打ち出しています。リリースノートは「さまざまなものが変わっても、コンテキストは Notion に置いておける」と書いています。
手順書を「スキル」として持ち運ぶ動きは、Google の Gemini でも始まっています。

何が変わった?主な5つのポイント
① 外部のAIエージェントとNotionをMCPでつなぐ
MCP(Model Context Protocol)は、AI ツールが他のアプリとつながるための共通規格です。Notion MCP を使うと、Claude・ChatGPT・Cursor などの AI アプリが、Notion のページを読み書きできます。
3.8 では、管理者向けの 「MCP コントロール」 が紹介されました。リリースノートによると、管理者は次のことができます。
- 各 AI ツールを誰が接続したかを確認する
- 最後に使われた日時を確認する
- 他の接続に影響を与えずに、特定の人のアクセスだけを取り消す
ヘルプでは、接続できる AI アプリの承認・ブロックは エンタープライズプランの管理者向けの機能として案内されています。なお、MCP ツールは接続したユーザーと同じ権限で動くため、その人が見られるページはすべて読める点に注意が必要です。
AI エージェントを MCP でほかのサービスにつなぐ考え方は、VPS の操作でも広がっています。

② Notionエージェントから150以上のツールへ
逆向きの連携も強化されました。Notion エージェントとカスタムエージェントが、MCP で 150 以上のツールに接続できます。リリースノートは、HubSpot の商談データで顧客の概要を作る、Stripe の請求情報を顧客レビューに加える、といった例を挙げています。
ヘルプによると、Notion エージェントの MCP 接続には次の条件があります。
- ビジネスプランまたはエンタープライズプランが必要
- Web とデスクトップのみ(モバイルは未対応)
- 接続はユーザーごと。チームメイトが同じツールを使うには、各自が自分のアカウントで接続する
- 管理者は接続できるツールを制限できる。一覧にないツールは、管理者が許可した場合に「カスタム MCP」として追加できる
③ Skills API:スキルを一度書けば他のエージェントでも
「スキル」は、エージェントに仕事の進め方を教える手順書のようなものです。3.8 では、Notion で作ったスキルを外に持ち出す Skills API が加わりました。
開発者向けドキュメントによると、Skills API は Notion に保存したスキルをファイルのフォルダとして取り出せる仕組みです。業界標準の「Agent Skills」形式に対応し、GitHub へ同期するサンプルも公開されています。そこから Claude や ChatGPT などに同期できると説明されています。
チームの手順書を Notion で書いて更新し、各自が使うエージェントに配る——という運用を想定した機能です。
④ バージョン履歴:「誰が何を変えたか」が分かりやすく
エージェントがページを書き換える機会が増えると、変更の追跡が重要になります。3.8 ではバージョン履歴が改良され、ページとデータベースの両方で、変更箇所のハイライト、変更した人の表示、復元前のプレビューができるようになりました。
過去のバージョンを見られる期間は、プランで異なります(ヘルプより)。
| プラン | 過去のバージョンを見られる期間 |
|---|---|
| フリー | 7日間 |
| プラス | 30日間 |
| ビジネス | 90日間 |
| エンタープライズ | 無期限 |
⑤ 同期データベースの作り直し
他のツールのデータを Notion のデータベースとして自動更新する機能です。3.8 では GitHub・Jira・Salesforce の同期が作り直され、リリースノートによると速く・安定し、同期ごとの状態を表示するようになりました。
| 同期元 | 取り込めるもの | 必要なプラン |
|---|---|---|
| GitHub | 選んだリポジトリのプルリクエスト | ビジネス |
| Jira | Jira Cloud のスペースと作業項目 | ビジネス |
| Salesforce | アカウント・連絡先・商談 | エンタープライズ |
同期は元のツールから Notion への一方向で、同期された項目は Notion 側では読み取り専用です。注意したいのは、取り込む期間を 30日・90日・365日 に絞った場合です。ヘルプによると、期間外になったレコードは Notion から削除され、Notion 側で追加した項目の値も消えます。古いレコードを残したいなら「利用可能なすべての履歴」を選びましょう。

ChatGPTの契約をNotionで使う:条件と接続手順
利用者の負担に直接関わる変更として大きいのが、この機能です。リリースノートは「二重に払わないで」という見出しで、ChatGPT の契約で Notion での AI 利用をまかなえると案内し、上乗せ料金は取らないとしています。
使える条件
ヘルプに書かれた条件は次のとおりです。
- Notion のワークスペースが ビジネスプランまたはエンタープライズプラン
- ワークスペースのメンバーであること(ゲストは使えない)
- ChatGPT Plus・Pro・Go のいずれかの契約がある
- Notion エージェントでのみ使える(カスタムエージェントでは使えない)
- 各ユーザーが自分の ChatGPT アカウントを接続する
なお、リリースノートの本文は対象を「ChatGPT Plus または Pro」と書いていますが、ヘルプでは Go も対象に含めています(2026年10月15日時点)。
接続手順
- 設定 → Notion AI → 使用状況 を開く
- 「接続済みサブスクリプション」で、ChatGPT の横の 「接続」 を選ぶ
- ChatGPT にサインインし、Notion からの接続を許可する
- Notion に戻る
Notion エージェントのモデルピッカーから「ChatGPT プランを接続」を選んでも、同じように接続できます。

どのタイミングで ChatGPT の契約が使われる?
ここが分かりにくいポイントです。ヘルプによると、ChatGPT の契約が使われるのは、GPT のモデルを指定して選んだときだけです。
| モデルの選び方 | 使われる契約 |
|---|---|
| GPT のモデルを指定 | ChatGPT の契約 |
| Auto、または GPT 以外のモデル | ワークスペースの Notion クレジット |
送信前に、どちらの契約が使われるかがモデルピッカーに表示されます。ChatGPT 側の利用上限に達した場合は、Notion クレジットに切り替えるか確認され、ChatGPT が使えるようになると自動で戻ります。
データの扱い
業務で使うなら、データの扱いは確認しておきたいところです。ヘルプは次のように説明しています。
- Notion と AI 事業者との契約(顧客データを学習に使わない等)は、ChatGPT の契約を使う場合も適用される
- 会話は ChatGPT のチャット履歴やメモリに保存・表示されない(接続は請求と利用の帰属確認のみに使う)
- データ保持は Notion AI の方針どおり。エンタープライズは保持なし、それ以外は30日間
- 管理者は監査ログで接続・接続解除のイベントを確認できるが、各ユーザーの利用量は確認できない
ChatGPT と他の AI の使い分けは、こちらで整理しています。

データベースの「列の権限」:設定方法と注意点
もう一つの目玉が、データベースの列(プロパティ)ごとに、閲覧・編集できる人を決められる機能です。ヘルプでは「プロパティアクセス」と呼ばれています。リリースノートは「何年も前から要望の多かった機能」と紹介しています。
たとえば、社員名簿で名前と役割は全員に見せつつ、給与の列は人事チームだけに見せる、といった使い方ができます。ページ単位の権限では難しかった、1つのデータベースを相手によって見せ分ける運用が可能になります。
設定の手順
- Web 版かデスクトップ版で、元のデータベースをテーブルビューで開く(リンクドビューは不可)
- 制御したい列のメニューから 「プロパティアクセス」 を選ぶ
- データベースを開ける全員に対するデフォルトのアクセスを選ぶ
- 個人・グループ・ユーザープロパティ・エージェントごとに例外を追加する
- 「プレビュー」 で特定のユーザーから見え方を確認し、保存する
アクセスレベルは 6段階 です。「データベースから継承」「プロパティと値の編集権限」「値のみ編集権限」「プロパティのみ閲覧可能」「プロパティと値を閲覧可能」「アクセス不可」から選びます。
知っておきたい注意点
- 対象は ビジネス / エンタープライズ。設定にはデータベースへのフルアクセス権限が必要
- 権限を設定できるのは最大20プロパティまで
- フルアクセス権限を持つ人には列の制限が効かない。テストはフルアクセスでない人で行う
- 複数の例外に当てはまる人には、最も制限の少ないレベルが適用される
- タイトル・ID・作成者・作成日時・最終更新者・最終更新日時などは制限できない。Wiki データベースも対象外
- 隠した列でフィルター・並べ替え・グループ化しているビューは、見られない人には開けないことがある
エージェントとの関係も重要です。エージェントには独自の列の権限を付けられます。一方、Notion AI は基本的に使っている人の権限を引き継ぐため、その人が見られない列は AI も読めません。ヘルプは、AI が「列が存在しない」と答えることがあると注意しています。
料金・提供状況:どのプランで使える?
| 項目 | 内容(2026年10月15日時点) |
|---|---|
| 公開日 | 2026年10月13日(リリースノートの日付) |
| ChatGPT プランの利用 | ビジネス / エンタープライズ。ChatGPT Plus・Pro・Go(ヘルプ) |
| 列の権限 | ビジネス / エンタープライズ |
| エージェントの MCP 接続 | ビジネス / エンタープライズ(Web・デスクトップ) |
| 同期データベース | GitHub・Jira はビジネス、Salesforce はエンタープライズ |
| 追加料金 | ChatGPT プランの利用に上乗せ料金なし(リリースノート) |
| 地域 | 公式ページに地域の制限は示されていない |
新機能の多くはビジネスプラン以上が対象です。フリーやプラスのワークスペースでは、バージョン履歴の改良などを除き、主な新機能は使えません。各プランの料金は地域によって表示が変わるため、自社の契約通貨で Notion の料金ページを確認してください。
利用者の声
3.8 の公開から日が浅く、2026年10月15日時点では、3.8 全体についての利用者のまとまった反応は Hacker News・Reddit などで見当たりませんでした。ここでは、9月下旬に公開された列の権限(プロパティアクセス)についての専門家の評価を紹介します。
- 最小権限の運用がしやすくなる: Notion のコンサルタント Matthias Frank 氏は、プロパティアクセスによって、エージェントに仕事に必要な分だけ権限を与える「最小権限の原則」に従えると評価しています。一方で、管理者の立場でテストすると見え方を誤るので、実際に見る人の立場で確認するよう勧めています(出典)
- 担当者を自分で書き換えられると抜け道になる: 同じ解説で Frank 氏は、別の列の権限を左右する「担当者」などの列は、本人が書き換えられないように固定すべきだと注意しています。数式が見えない列を参照すると、空欄やゼロのように見える場合があるとも指摘しています(出典)
- データベースを分ける回避策が不要に: Notion の解説を発信する Simone Smerilli 氏は、組織が大きいほどデータの切り分けが重要になるとし、2つ目のデータベースや外部ツールを使う回避策が不要になる点を挙げています。ただし、リレーションやそれを元にしたロールアップ・数式は、関連データへのアクセスがない人には見えないと注意しています(出典)
IT Picks的な所感
3.8 は、Notion が「AI 機能付きのメモアプリ」から「どの AI からも使える社内の情報基盤」へ舵を切ったことがよく分かる更新だと思います。MCP・Skills API・同期データベースは、どれもNotion の外にいるエージェントと情報をやり取りするための機能です。
中でも、ChatGPT の契約を Notion で使える機能は、AI の二重払いに悩むチームには分かりやすい利点です。ただし、使えるのは GPT モデルを指定したときだけで、カスタムエージェントでは使えません。「Notion クレジットの消費をどこまで減らせるか」は使い方次第と見ておくのが現実的でしょう。
列の権限は、地味ですが業務利用への影響が大きいと評価しています。人事・経理・営業の情報を1つのデータベースで扱えるようになり、エージェントに見せる範囲も絞れます。一方で、フルアクセスの人には効かない、ビューが開けなくなる、といった落とし穴もあります。本番のデータベースに入れる前に、テスト用のデータベースとプレビュー機能で見え方を確かめるのがよさそうです。
Teams への通知にも対応したことで、Microsoft 365 を使う会社でも Notion を併用しやすくなりました。

まとめ
Notion 3.8 のポイントをまとめます。
- 公開日:2026年10月13日(Notion リリースノート)
- テーマ:AI エージェントのための「コンテキスト」を Notion に集める
- ChatGPT プランの利用:ビジネス / エンタープライズで、ChatGPT の契約を Notion エージェントに充てられる(GPT モデル選択時のみ)
- 列の権限:列ごとに閲覧・編集できる人を指定(ビジネス / エンタープライズ、最大20プロパティ)
- MCP:外部エージェントからの接続の管理を強化、Notion エージェントは 150 以上のツールに接続
- その他:Skills API、バージョン履歴の改良、同期データベースの刷新、新モデル7種、Teams への通知
ビジネスプラン以上を使っているなら、まずは機密の列があるデータベースのコピーで「プロパティアクセス」を設定し、プレビューで見え方を確かめてみましょう。
