XServer VPSのセキュリティ対策:最初にやる6つの設定【2026年版】

XServer VPSのセキュリティ対策:最初にやる6つの設定【2026年版】
IT Picks編集部

VPS は、サーバーの 管理者権限をまるごと借りるサービス です。自由に使える反面、OS やソフトの更新、通信の制限も利用者の仕事 になります。

その違いがはっきり表れたのが、2026年10月の PHP の脆弱性です。エックスサーバーは レンタルサーバーには会社側で修正を当てた一方、XServer VPS は「利用者が PHP を確認・更新してください」 と案内しました。

【重要】PHPの脆弱性(CVE-2026-109618/CVE-2026-109619)に関するお客様のご利用サーバー環境への安全対策について | 高性能で安定したVPS環境
【重要】PHPの脆弱性(CVE-2026-109618/CVE-2026-109619)に関するお客様のご利用サーバー環境への安全対策について | 高性能で安定したVPS環境

この記事では、XServer VPS を契約したら最初にやっておきたい 6つの設定 を、公式マニュアルをもとに整理します。申し込み前に「自分で何をすることになるのか」を知っておくための記事、という位置づけです。

この記事はこんな人向けです

  • XServer VPSを申し込む予定、または契約したばかりで、最初に何を設定すれば安全か知りたい
  • 10月のPHPの脆弱性で「VPSは利用者が更新」と案内され、何をすればよいか確かめたい
  • パケットフィルター・SSH Key・イメージ保存など、XServer VPSの公式機能の使いどころを押さえたい

XServer VPSのセキュリティ対策とは?一言でまとめると

一言でまとめると、「サーバーの外側は XServer、内側は利用者」 です。物理サーバーやネットワークは XServer が管理し、OS から上(PHP・WordPress・SSH の設定など)は利用者が管理します。

範囲 誰がやるか XServer VPS で使える機能・作業
OS・PHP などの更新 利用者 SSH やコンソールから apt などで更新
バックアップ 利用者(ビジネスプランは自動1世代) イメージ保存(50GBまで無料)
外からの通信の制限 利用者 パケットフィルター(VPSパネル)
SSH のログイン方法 利用者 SSH Key(鍵認証)
締め出されたときの復旧 利用者 コンソール(VNC / シリアル)
管理画面へのログイン 利用者 二段階認証
XServer VPSで最初にやる6つの設定
XServer VPS「機能一覧」「料金・仕様一覧」と各マニュアル(2026年10月28日確認)をもとに IT Picks 編集部が作成

どれも 標準機能として追加料金なしで使えます(イメージ保存は50GBまで)。以下、①〜⑥の順に進めると、契約直後の作業がひととおり終わります。

レンタルサーバーと VPS の役割分担そのものは、次の記事で詳しく解説しています。

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【2026年10月】PHPの脆弱性で分かった「VPSは自分で更新」

2026年10月21日、PHP の開発チームは 認証なしでリモートからコードを実行されるおそれがある脆弱性2件 を直した修正版(8.5.12 / 8.4.27 / 8.3.36 / 8.2.35)を公開しました(php.net)。

これに対するエックスサーバーの対応は、サービスによってはっきり分かれました。

サービス エックスサーバーの対応(10月21日のお知らせ)
エックスサーバー、XServerビジネス、XServer for WordPress 会社側で緩和策と修正を実施。10月26日6:20までに全対象サーバーで完了
XServer VPS、ビジネスプラン、XServer VPS クラウド 会社による修正パッチの適用はなし。利用者が PHP のバージョンを確認し、修正版への更新などを行う

VPS では OS や PHP を利用者自身が管理する ため、というのが公式の説明です。WordPress などを VPS で動かしている人は、自分で更新しない限り古い PHP のままになります。

エックスサーバーのPHP脆弱性に関するお知らせ
2026年10月28日時点(出典: XServer VPS「【重要】PHPの脆弱性(CVE-2026-109618/CVE-2026-109619)に関するお客様のご利用サーバー環境への安全対策について」)

同じ時期には、ほかにも利用者に関係するお知らせが続いています。

2026年10月のエックスサーバーのお知らせ
XServer VPS のお知らせ(2026年10月21日〜26日、10月28日確認)をもとに IT Picks 編集部が作成
  • 10月21日16:00:予防的な安全対策として、公式サイト・管理画面などを一時停止。不正アクセスによるものではなく、利用者のサーバーは動き続けた と説明しています(公式)
  • 10月22日20:10〜:全サービスの新規申し込みが再開
  • 10月23日:委託先のメール配信サービスで、配信を希望していた利用者の メールアドレスが漏洩。ログインパスワードや決済情報は含まれていないとしています(公式)
  • 10月26日:問い合わせが集中し、電話・チャットがつながりにくく、メールの回答にも日数がかかる 状態と案内(公式)

サポートに聞いてもすぐ答えが返ってこない時期だからこそ、自分で更新・確認できる手順を持っておく ことが大切です。脆弱性の中身と各環境の更新方法は、次の記事にまとめています。

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① OSとPHPを更新する

最初にやるのは OS とソフトウェアの更新 です。XServer VPS の「WordPress」アプリイメージは Ubuntu 24.04 で提供されています(OS・アプリイメージ一覧)。Ubuntu では、次の2つのコマンドで更新します。

sudo apt update
sudo apt upgrade

apt update でパッケージの一覧を新しくし、apt upgrade で更新を当てる——という順番です(Ubuntu 公式ドキュメント)。

PHPのバージョンの確かめ方

PHP のバージョンは php -v で表示できます。ただし Ubuntu の公式パッケージは、修正を取り込んでも バージョン番号の前半が変わらない 点に注意が必要です。

Ubuntu パッケージ 修正済みの版(USN-8948-1)
24.04 LTS php8.3(php8.3-fpm、php8.3-cli、libapache2-mod-php8.3 など) 8.3.6-0ubuntu0.24.04.13

php.net の修正版は 8.3.36 ですが、Ubuntu 24.04 では 「8.3.6-0ubuntu0.24.04.13」 が修正済みの版です(Ubuntu USN-8948-1)。dpkg -l 'php8.3*' などで、インストール済みのパッケージの版を表と見比べてください。

自動更新に任せきりにしない

Ubuntu Server は 既定でセキュリティ更新を自動で適用する 設定です(Ubuntu 公式ドキュメント)。ただし、XServer VPS の各イメージでこの設定がどうなっているかは、公式マニュアルには書かれていません。

また、WordPress アプリイメージのマニュアルにも PHP の更新方法の記載はありません。大きな脆弱性が出たときは、自動更新を待たずに 自分で更新して版を確かめる のが確実です。

② 更新の前にイメージ保存で戻せるようにする

更新や設定変更で動かなくなったときに備えて、作業の前にイメージ保存 をしておきます。イメージは、サーバーの状態(OS・設定・データ)を丸ごと1つのファイルにしたものです。

項目 内容
料金 50GBまで無料。超える場合は「イメージ保存容量追加」+500GB で 月額1,650円(税込)
保存の手順 VPSパネルの「電源操作」で シャットダウン → 「イメージ保存」
できること 保存時点の状態への復元、新しいサーバーへの展開

注意したいのは、保存の前にサーバーを止める必要がある ことです(マニュアル「イメージの保存」)。サイトが止まるので、アクセスの少ない時間に行いましょう。

自動バックアップはプランで違う

通常プランには 自動バックアップがありません(公式トップの料金表で「-」)。自動で取ってほしい場合は、別のプランを選ぶことになります。

プラン 自動バックアップ
XServer VPS(通常プラン) なし(イメージ保存を手動で)
ビジネスプラン 標準で1世代。バックアップ拡張オプションで3世代
XServer VPS クラウド 日次・最大7日分

ビジネスプランの自動バックアップも、実施タイミングは選べず、完全性は保証されない とマニュアルに書かれています(マニュアル「バックアップ拡張オプション」)。大事な更新の前は、手動のイメージ保存を併用すると安心です。

ビジネスプラン・VPS クラウドとの違いは、次の記事で比べています。

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③ パケットフィルターで開けるポートを絞る

パケットフィルターは、VPS に届く通信を、許可したポートだけに制限する 機能です。VPSパネルの「パケットフィルター設定」から設定します。

  • OFF にすると、すべてのポートへの通信が許可されます。その場合は OS 側で自分で対策する必要があります
  • フィルタールールは 最大20ルール
  • 「手動で設定」を選ぶと、プロトコル・ポート番号(1〜65535)・許可する送信元 IP アドレス を指定できます

(マニュアル「パケットフィルターの設定」)

WordPress アプリイメージの場合、マニュアルが示している開けるべきポートは次のとおりです。

用途 ポート 必要性
HTTP TCP 80 必須(Let’s Encrypt の証明書の取得・更新にも使う)
HTTPS TCP 443 必須
SSH TCP 22 任意(SSH で接続するときだけ)

マニュアルは 使っていない機能のポートは開けない ことを推奨しています。SSH を使う場合も、公式の機能一覧の例のように 22番ポートを自分の IP アドレスからだけ許可する と、攻撃を受ける範囲をぐっと狭められます。

Qiita で XServer VPS の初期設定を公開している ucchy4646 さんは、SSH のポート番号を変える手順で「新しいポートをパケットフィルターに追加してから、22番の設定を削除する」順番を案内しています(Qiita「XServer VPSの初期設定」)。先に22番を消すと接続できなくなる ので、順番は守りましょう。

なお、パケットフィルターと OS 側のファイアウォール(ufw など)は動作が重複する可能性がある とマニュアルは注意しています。どちらで管理するかを決めておくと、「開けたはずなのにつながらない」を防げます。

④ SSH Keyで鍵認証にする

SSH のログインは、パスワードより 鍵認証(公開鍵と秘密鍵の組み合わせ) の方が安全です。XServer VPS の「SSH Key」機能を使うと、申し込み時や OS 再インストール時に鍵を設定 できます。

登録方法 内容
自動生成 鍵ペアを XServer 側で作成。秘密鍵のダウンロードは1度だけ
インポート 手元の PC で作った公開鍵を登録

登録した公開鍵をサーバーに設定すると、ログイン方法を鍵認証だけに制限 できます(マニュアル「SSH Key」)。

注意点は2つです。

  • 秘密鍵をなくすとログインできなくなる。自動生成した秘密鍵は、ダウンロードしたらすぐ安全な場所に保管する
  • 申し込み時に登録する鍵は root ユーザー用。一般ユーザーを作って root での直接ログインを禁止するなら、OS 側で追加の設定が必要

前出の ucchy4646 さんの記事でも、公開鍵認証だけでログインでき、root ではログインできない状態にする手順が紹介されています(Qiita)。

⑤ 締め出されたときはコンソールで直す

SSH の設定やパケットフィルターを間違えると、サーバーにログインできなくなる ことがあります。そのときに使うのがコンソールです。VPSパネルから、ブラウザでサーバーを直接操作 できます。

種類 特徴
VNC コンソール 画面をそのまま操作。コピー&ペーストはできない
シリアルコンソール コピー&ペーストができる。Ubuntu デスクトップと Windows Server は非対応

コンソールのログインには、申し込み時(または OS 再インストール時)に設定した root パスワード を使います(マニュアル「コンソール接続」)。鍵認証に切り替えた後も、このパスワードは控えておきましょう。

⑥ 管理画面のログインも守る:二段階認証と不審メール

サーバーそのものを守っても、管理画面に入られてしまえば意味がありません。XServer VPS は、Google Authenticator などの認証コード生成アプリを使う 二段階認証 に対応しています(機能一覧)。

特に今は、10月23日の漏洩のお知らせで、エックスサーバーが 同社を装った不審なメールへの注意 を呼びかけています。

  • メールの URL から管理画面にログインしない(ブックマークから開く)
  • 添付ファイルを開かない
  • パスワードを入力するよう求めるメールには応じない

二段階認証を設定しておけば、万一パスワードを入力してしまっても、それだけではログインされにくく なります。

料金と申し込み:今は申し込める?

2026年10月28日時点で、XServer VPS の通常プラン(2GB を除く)とビジネスプランは新規申し込みを受け付けています。ただし 2GB プランは2026年7月14日17時から新規受付を停止 しており、10月28日時点のお知らせ一覧に再開の告知は見当たりません(公式)。

時期 内容
7月14日17時 2GB プランの新規受付を停止(再開時期は未定。利用中の2GBは継続利用可)
10月6日17時 通常プランの新規受付を再開(9月17日から停止していた。2GB への言及はなし)
10月16日14時 ビジネスプランの新規受付を再開
10月22日20:10〜 管理画面などの一時停止の後、全サービスの新規申し込みが再開
10月28日時点 その後の停止のお知らせはなし。2GB プランの再開の告知もなし。無料VPS は受付停止中

(出典: お知らせ一覧、10月6日・10月16日のお知らせ、無料VPS)

ほかの国内 VPS では、ConoHa VPS が10月24日から新規申し込みを一時停止 しており、10月28日時点の公式ニュース一覧に再開のお知らせはありません(ConoHa VPS ニュース)。さくらのVPS も東京・大阪リージョンの再開時期は未定(石狩は10月23日に再開)です(さくらのVPS)。

通常プランの料金

プラン vCPU NVMe SSD 1ヶ月 12ヶ月 36ヶ月
2GB(新規受付停止中(2026年7月14日〜、10月28日時点で再開の告知なし)) 3コア 50GB 1,980円 1,540円 1,265円
4GB 4コア 150GB 2,640円 2,200円 2,035円
8GB 6コア 400GB 5,280円 4,400円 3,850円

※ 料金は2026年10月28日時点の公式「料金・仕様一覧」より。税込・1ヶ月あたりの換算で、契約期間分の一括前払い です。初期費用は無料。確認時点で実施中のキャンペーンの表示はありませんでした。2GB の受付停止は 2026年7月14日のお知らせ によります。

この記事の6つの設定は、どのプランでも追加料金なしで使える標準機能 です(イメージ保存は50GBまで)。新規で申し込むなら、受付停止のお知らせが出ていない 4GB 以上 から選ぶことになります(公式トップでは4GB を「中規模サイトや急なアクセス数の増加」向けと案内)。最新の受付状況は、申し込み画面で確認してください。

国内シェアNo.1のエックスサーバーが提供するVPSサーバー『XServer VPS』
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ConoHa・ロリポップなど GMO 系サービスの受付停止の経緯は、次の記事で整理しています。

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よくある質問

Q. VPS のセキュリティは XServer がやってくれないのですか?

A. 物理サーバーやネットワークは XServer が管理しますが、OS・PHP・アプリの更新は利用者の担当 です。2026年10月の PHP の脆弱性でも、XServer VPS には会社による修正パッチの適用はありませんでした。

Q. パケットフィルターと ufw は両方使った方が安全ですか?

A. マニュアルは 動作が重複する可能性がある と注意しています。両方使う場合は、どちらで何を許可しているかを把握しておかないと、接続できない原因を探しにくくなります。

Q. 通常プランでも自動バックアップを使えますか?

A. 通常プランに自動バックアップはありません。手動のイメージ保存(50GBまで無料) を使うか、自動バックアップ付きのビジネスプランや XServer VPS クラウドを検討してください。

Q. 秘密鍵をなくしたらどうなりますか?

A. 公式マニュアルのとおり、鍵認証に制限したサーバーにはログインできなくなります。自動生成した秘密鍵は1度しかダウンロードできないので、受け取ったらすぐにバックアップを取って保管しましょう。

Q. 無料VPS で設定を試せますか?

A. 2026年10月28日時点で、無料VPS は新規受付を停止 しています。また、通常プランの 2GB は2026年7月14日から新規受付を停止 しており、10月28日時点で再開の告知は見つかりませんでした(公式)。新規なら、停止のお知らせが出ていない 4GB(1ヶ月契約で2,640円) が最も小さなプランになりますが、受付状況は申し込み画面で確認してください。

まとめ

XServer VPS のセキュリティ対策のポイントをまとめます。

  • 役割分担:OS から上は利用者が管理(10月の PHP 脆弱性でも VPS は利用者が更新)
  • ① 更新:sudo apt update → sudo apt upgrade。Ubuntu 24.04 の PHP は 8.3.6-0ubuntu0.24.04.13 が修正版
  • ② バックアップ:作業前に イメージ保存(50GBまで無料、保存前にシャットダウン)
  • ③ 通信制限:パケットフィルターを ON、WordPress は 80・443、SSH は自分の IP だけ
  • ④ ログイン:SSH Key で鍵認証、秘密鍵のダウンロードは1度だけ
  • ⑤ 締め出し対策:VNC / シリアルコンソール
  • ⑥ 管理画面:二段階認証、不審なメールのリンクから開かない
  • 申し込み:2026年10月28日時点で通常プラン(2GB を除く)・ビジネスプランは受付中。2GB は2026年7月14日から新規受付停止中(再開の告知なし)、無料VPS も停止中。4GB は36ヶ月契約で月2,035円

申し込んだら、まずは ① 更新と ② イメージ保存から始めてみてください。

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