WordPress 7.2に/random/、既定で有効に【2026年11月】
ブログの右上に「ランダムに1記事」ボタンがあったら、押してみたくなる人は多いかもしれません。WordPress 本体に、その仕組みが標準で入ることになりました。
2026年11月5日、WordPress のコア開発チームは開発者向けノートで、WordPress 7.2 に「/random/」を入れると告知しました。 example.com/random/ を開くと、そのサイトの公開済みの投稿からランダムに1件を選んで移動 します。

注目されているのは、この機能が 既定で有効 な点です。7.2 に更新すると、何も設定しなくても自分のサイトで /random/ が動きます。止めたいサイトは、フィルターで無効にする 形です。WordPress でサイトを運営している人にとって、12月8日の 7.2 までに扱いを決めておきたい変更 と言えます。
この記事はこんな人向けです
- WordPress のサイトを、VPS やレンタルサーバーで自分で運用している
- 7.2 で入る「/random/」が何をするのか、自分のサイトでも有効になるのか知りたい
- 止めたい・対象を絞りたい場合の方法と、SEO・キャッシュ・負荷への影響を知りたい
WordPress 7.2の/random/とは?一言でまとめると
「/random/ を開くと、ランダムな公開済みの投稿へ 302 で移動する、WordPress 本体の新機能」 です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入る版 | WordPress 7.2(2026年12月8日の予定) |
| URL | /random/(カテゴリー・タグ・投稿者・カスタム投稿タイプごとの形もある) |
| 既定 | 有効(更新するだけで動く) |
| 移動のしかた | 302(一時的な転送)で、ランダムな 公開済みの投稿 へ |
| 対象外 | 固定ページ・添付ファイル、下書き・パスワード付きの投稿 |
| 止め方 | フィルター wp_enable_random_content_redirect に false を返す |
| URL の語を変える | 「設定」→「パーマリンク」 の新しい項目 |
リダイレクトは、ある URL へのアクセスを別の URL へ自動で送ることです。302 は「一時的な移動」を表し、ブラウザや検索エンジンに 移動先を固定のものとして覚えさせない 種類の転送です。
発表の概要:開発者向けノートが伝えたこと
開発者向けノート(dev note)は、大きな変更の中身と使い方を開発者に伝えるため、Make WordPress Core に載る記事です。今回のノートの要点は次のとおりです。
- 7.2 で /random/ のエンドポイント を導入。
example.com/random/は ランダムに選んだ公開済みの投稿へ移動 する - この機能は 既定で有効
- 既存の rewrite(URL の書き換え)・WP・WP_Query(記事の取得)の仕組みの上に作った
- 止めたい理由があるサイト向けに、機能全体を無効にするフィルター を用意した
- 詳細は Trac のチケット #64498 と、r64402・r64405・r65042・r65250 の変更

ノートは「止めたい正当な理由がある、または 単に楽しいことが嫌いな サイト向けにフィルターがある」と、冗談まじりに書いています。コメント欄には、この書き方に反発する開発者の声もありました(出典)。
どんなURLで動く?対象になる記事・ならない記事
① 使えるURLの形
パーマリンクを「投稿名」などの分かりやすい形にしている場合、次の URL が使えます(random の部分が「ベース」)。
| URL | 移動先 |
|---|---|
| /random/ | サイト全体からランダムな投稿 |
| /random/category/<カテゴリーのスラッグ>/ | そのカテゴリーの中から |
| /random/tag/<タグのスラッグ>/ | そのタグの中から(公開のタクソノミーは同じ形) |
| /random/author/<投稿者名>/ | その投稿者の投稿から |
| /random/<投稿タイプのスラッグ>/ | そのカスタム投稿タイプから |
チケットにある実装の説明によると、random は 公開のクエリ変数 でもあり、?random はアーカイブ・検索結果・ホームの URL に付けても使えます。

② 対象になる投稿・ならない投稿
対象にするかどうかは、register_post_type() の新しい引数 randomable で決まります。
- 指定しない場合、公開で問い合わせ可能(publicly_queryable)で、アーカイブ(has_archive)がある投稿タイプは対象
- 組み込みの投稿タイプでは、投稿(post)は対象、固定ページ(page)と添付ファイル(attachment)は対象外
- 下書き・非公開・パスワード付きの投稿は移動先にならない(チケットの実装の説明)
カスタム投稿タイプを対象から外すには、登録時に 'randomable' => false を指定します。
register_post_type(
'musicals',
array(
'public' => true,
'has_archive' => true,
'randomable' => false, // /random/ の対象から外す
)
);
③ 語を変える・選び方を変える
- ベースの語は「設定」→「パーマリンク」で変えられます。既定の語は翻訳の対象なので、サイトの言語によっては
random以外の語になることがあります - ベースと 同じスラッグの投稿・固定ページを公開すると、そちらが優先 されます(r64402 の説明)
- 選ぶ処理はメインクエリなので、既存の
pre_get_postsの処理もランダムの移動に効きます。ランダムのときだけ変えたい場合は、wp_is_random_content_query()で判定します
add_action(
'pre_get_posts',
static function ( WP_Query $query ) {
if ( wp_is_random_content_query( $query ) ) {
$query->set( 'category__not_in', array( 525600 ) ); // このカテゴリーを除く
}
}
);
「特定のカテゴリーは出したくない」という場合は、止めるよりこちらのほうが向いています。
7.2はいつ出る?リリースの予定
公式の 7.2 のページでは、正式リリースは2026年12月8日 の予定です。7.2 は 2026年最後のメジャーリリース と位置づけられています。
| 日付 | 段階 |
|---|---|
| 10月20日 | Beta 1 |
| 11月3日 | Beta 4 |
| 11月10日 | Beta 5 |
| 11月17日 | RC 1(リリース候補。開発者向けノートをまとめた Field Guide を公開) |
| 11月24日 / 12月1日 | RC 2 / RC 3 |
| 12月7日 | 予行演習と24時間のコード凍結 |
| 12月8日 | WordPress 7.2 のリリース |
※ 2026年11月8日時点。Make WordPress Core「WordPress 7.2」より
前回の WordPress 7.1.4 のセキュリティリリース の公式ブログでも、7.2 は12月8日の予定と案内されていました。

なぜ入った?チケットの経緯
経緯は Trac のチケット #64498 に残っています。
- 約10か月前にチケットが作られる。説明には、Matt 氏(@matt)が自作の Random Redirect プラグイン をもとに、7.0 での検討を挙げていたとあります。当初は opt-in(自分で有効にする)の最小限の実装 を議論する提案でした
?randomの opt-in 版がいったん入る(r63767)。しかし「無効が既定でプラグインが必要なら、多くの人のための機能という原則に合わない」という指摘や、コードの品質の指摘を受け、取り消し(r63906)- チケットの起票者は、Matt 氏が何度もコアへの追加を求めた ことが、プラグインではなくコアに入れる理由だと説明
- 担当の Aaron Jorbin 氏は「楽しさを足すもので、全員が使えるようにする価値がある。止めたいサイトは止められるようにする」とし、既定で有効・/random/ の形 に作り直して r64402 で追加
- 性能の指摘を受けて選び方を改善(r65042)、他のプラグインの呼び出しで致命的エラーにならないよう修正(r65250)し、チケットは完了
元になった Random Redirect プラグイン(作者は Matt Mullenweg 氏)は、2026年11月8日時点の公式ディレクトリで 有効インストール「100+」、最終更新「18年前」 と表示されています。利用者の少なかった機能を、既定で有効のままコアに入れた ことが、議論の中心になっています。
自分のサイトで確かめておきたいこと
① 止めたい場合はフィルター1行
公式のノートが示している方法は、mu-plugin(必ず読み込まれるプラグイン)に次の1行を置く ことです。
add_filter( 'wp_enable_random_content_redirect', '__return_false' );
ノートによると、これで /random/ の rewrite ルールが作られなくなり、パーマリンク設定の項目も隠れ、random のクエリ変数も無視 されます。企業サイト・会員サイト・ショップなど、ブログとして使っていないサイトは、7.2 にする前に入れるかを決めておく とよいでしょう。
② SEO・キャッシュ:302・no-cache・noindex
チケットの実装の説明によると、移動は 302 で、no-cache(キャッシュしない)と noindex(検索結果に出さない)のヘッダー が付きます。/random/ への応答そのものは、ブラウザや CDN に保存されず、検索エンジンにも登録されない指定 です。
一方で、移動先の記事は普段どおりの記事 です。「どこからもリンクしていないから見つからない」前提で公開している投稿は、/random/ からたどられる可能性があります。見せたくない内容は、下書き・非公開・パスワード保護にするか、②の pre_get_posts で除外しておきます。
③ カスタム投稿タイプを見直す
アーカイブ付きで公開しているカスタム投稿タイプは、指定しなければ対象になります。プラグインやテーマが登録した投稿タイプも同じです。/random/<投稿タイプのスラッグ>/ で出てほしくないものは、randomable を false にする か、①で機能ごと止めます。
④ 投稿が多いサイトは負荷に注意
チケットの実装の説明によると、選び方は ORDER BY RAND()(データベースで対象の行を全部並べ替える方法) で、対象の投稿が多いほど時間がかかります。キャッシュも効かない URL です。
チケットでは参加者が計測しており、当初の実装では 20万件の投稿で1回 5.0〜7.8秒 かかった例が報告されました(出典)。これを受けて 記事の ID だけを並べる形に改善(r65042)され、同じ条件で 0.22〜0.54秒 になったとしています(出典)。投稿が数万件以上あるサイトは、7.2 にしたあと /random/ へのアクセスとデータベースの負荷を見ておく のが安心です。
⑤ 更新直後は /random/ が404になることがある
チケットでは、7.1.4 から上書きで更新したテストサイトで、更新後に管理画面へのアクセスが一度あるまで /random/ が 404 になった という検証報告がありました(出典)。担当の Jorbin 氏は、データベースの版を上げているので、管理画面を開けば rewrite ルールが作り直される と説明しています(出典)。
同じ報告では、マルチサイトはサイトごとに管理画面が開かれるまで 404 のまま で、404 が CDN などにキャッシュされると、その間は 404 が返り続けた とされています(出典)。WP-CLI やホスティングの自動処理で更新しているサイトは、更新後に一度管理画面を開く と確実です。
VPS で WordPress を動かすときのイメージ選びや更新の流れは、こちらで解説しています。

IT Picksで確認したこと
2026年11月8日時点で、公式の開発サイト Make WordPress Core では、すでに /random/ が動いていました。
- https://make.wordpress.org/core/random/ を開くと、302 で「A Week in Core – May 2, 2022」へ移動 しました。もう一度開くと、移動先は 「Dev Chat Agenda for March 31, 2021」 に変わりました
- 応答には
Cache-Control: no-cache, must-revalidate, max-age=0, no-store, privateとX-Robots-Tag: noindex, followが付いていました。チケットにある説明のとおりです

- https://make.wordpress.org/core/random/tag/dev-notes/ を開くと、dev-notes タグの記事「New block type registration APIs to improve performance in WordPress 6.7」(2024年10月17日) へ移動しました。タグで絞る形も動いていました

開発者の反応
開発者向けノートのコメント欄では、既定で有効にすることへの反対が目立ちます。
- 公開を意図しない内容が出る懸念: Joost de Valk 氏は、既定で有効にすると「リンクしていないだけで非公開のつもり」の投稿が出てしまうリスクがあり、コアに noindex の仕組みが無いまま入れるのは順番が逆 だと指摘しています(出典)
- 負荷の懸念: Ryan McCue 氏は、
ORDER BY RAND()は MySQL で遅いことで知られ、ボットが /random/ を繰り返し開くと負荷の原因になりうる と懸念を示しました(出典) - サイト制作の手間: MikeNGarrett 氏は、ブロガーではなくサイト制作者の立場では 利点より手間のほうが大きい とし、自社の mu-plugin で止めるか設定として出すと書いています(出典)
- 担当者の考え: 一方、Aaron Jorbin 氏は、多くの人は自分のコンテンツが見つかることを望んでいる と答え、除外したいものは
pre_get_postsで外せると案内しています(出典)
WordPress の前に WAF(Web アプリケーションファイアウォール)や CDN を置いてボットを抑える方法は、こちらで整理しています。

IT Picks的な所感
個人ブログにとっては、昔の記事に読者を連れていく手軽な入口 になりそうです。一方で、WordPress は企業サイトやショップ、会員サイトにも広く使われています。ブログ以外のサイトでは、「勝手に入口が1つ増える」変更 として受け止めたほうがよいと考えています。
大事なのは、止め方が1行で用意されていて、対象も randomable と pre_get_posts で細かく絞れる ことです。7.2 は12月8日の予定です。自分のサイトで /random/ を出してよいかを今のうちに決め、止めるなら更新前に mu-plugin を置いておく のが、いちばん慌てずに済む方法だと思います。

まとめ
WordPress 7.2 の /random/ のポイントをまとめます。
- 告知:2026年11月5日(Make WordPress Core の開発者向けノート)
- 機能:/random/ でランダムな公開済みの投稿へ 302 で移動
- 既定:有効(
?random、カテゴリー・タグ・投稿者・投稿タイプごとの形も) - 対象外:固定ページ・添付ファイル・下書き・パスワード付き
- 止め方:
add_filter( 'wp_enable_random_content_redirect', '__return_false' ); - 絞り方:
randomable引数、wp_is_random_content_query()とpre_get_posts - 注意:投稿が多いサイトの負荷、更新直後の 404(管理画面を一度開く)
- リリース予定:WordPress 7.2 は2026年12月8日
まずは自分のサイトのカスタム投稿タイプと「リンクしていないだけ」の投稿を確かめ、/random/ をそのまま使うか止めるかを決めておきましょう。
